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ショートショートより短い英語でわずか五十五語の小説「極短小説」がおもしろい

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日本語400字でまとめられた極短小説

小説には長編小説や短編小説といった、文量によるカテゴリーがあります。おもに原稿用紙換算で300枚以上なら長編小説・・・といった具合ですね。短編小説は結構あいまいな感じで、原稿用紙100枚以下というとこもあれば、10~80枚といったとこもあります。

これらの他に掌編小説(しょうへんしょうせつ)と呼ばれるものも存在します。いわゆるショートショートよりも短いものとされ、原稿用紙10枚以下くらいの認識でしょうか。字数による制限があったりして、例えば東京新聞の300文字小説もこれに当てはまります。

字数が少なくても、読み進めることで世界が広がっていく・・・和歌のような感じでしょうか。季語や句切れを用いることで短いながらも広大な情景を表現する俳句のように、語句に様々な意味を持たせることで読者のイマジネーションを刺激し、世界観を構築するのが掌編小説でしょう。

海外にも掌編小説のような短い形式の小説があって、そのひとつに「フィフティファイブ・フィクション(五十五語の小説)」があります。

フィフティファイブ・フィクションとは

日本ではあまり知られていませんが、やはり言語の壁があるからでしょう。俳句は今や世界中に広がりを見せていますが、英語で俳句を詠む場合も日本のルールと異なるように言語・文化の違いは難しいところ。英語の五十五語と日本語の五十五語はまったく違います。

そんな「フィフティファイブ・フィクション」ですが、「極短小説」というタイトルで日本語版が出ております。個人的に長い間愛読しているので、持っているものはかなりボロボロです・・・。

もちろん、この「極短小説」は英語版の翻訳ですけど、言語文化の違いをどう表現するのか興味ありました。「フィフティファイブ・フィクション」は英語で五十五語なのだからと、訳者は独自に制限を課しています。

フィフティファイブ・フィクションでは「五十五語以上は使えない」「ハイフンでつないだ単語は、一語とはみなされない」「短縮形は一語とかぞえる」などのルールがありますが、日本語訳では「本文は二百字以内とする」「句読点、カッコなども、それぞれ一語とかぞえる」「題名は十五字以内」となっています。

英語版では「句読点はどんなものを使っても自由だし、語数に計算されない」のですが、日本語版では文字数に含めるといった違いなども興味深いです。

1作品1ページ

「極短小説」は一編が1ページ(たまに2ページに渡るものがある)で、前編に挿絵が挿入され、独特の雰囲気を醸し出しています。気軽に読み進めることもできますし、何度も読み返してどのようなオチなのか深く考えたり・・・短くても印象に残る物語が多くて楽しめました。

「第二集のはじめに」ではこのようなことが書かれています。

単語を削っていくにつれて、逆に物語が成長するのだ。短くなるほど物語が生き生きしてくる。

長く複雑な情景描写も趣があっていいのですが、余計な贅肉を削った短くすっきりとした表現も深い味わいがあります。極短小説は短いながらも登場人物が生き生きとしながら躍動し、物語が広がっていきます。

まとめ

英語で五十五語という少ない文字数で物語を展開する「フィフティファイブ・フィクション」は、無駄な字数を削ることで読み手のイマジネーションを刺激し、想像以上に深い味わいのある小説です。

その日本語訳「極短小説」はショートショートが好きな方や、ちょっと変わった短編小説を探しているといった方におすすめな一冊です。

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