中学校のダンス必修化とディスコ・クラブの関係

ダンス必修化

平成20年3月28日に中学校学習指導要領の改定があり、武道・ダンスが必修となりました。ここでいうダンスは「創作ダンス」「フォークダンス」「現代的なリズムのダンス」の3つであり、ヒッップホップやストリートダンスなど現代っ子に合った「現代的なリズムのダンス」を選択するところが多いようです。

さて、ここで「ダンスに興味を持ってディスコ・クラブに行く未成年が増えるのではないか」という懸念が出てきます。この時期にクラブの取り締まり・摘発が増えたのも事実で、一部ではこのダンス必修化による影響を考慮してという見方もありました。

では、実際どうなのよ? ということで、デイリーで開催された無料イベントに来ていた中学生達に聞いてみました。

踊るのは好きだが、クラブには興味はない

さて、まずダンスに興味あるかという点についてですが、ほとんどの子が興味あると答えました。しかし、ヒップホップやストリートダンスなんか興味はなく、ニコニコ動画中心に広まっている「踊ってみた」ということでした。

「踊ってみた」とは、主にニコニコ動画に投稿されるダンス・振り付けで、踊っている人を「踊り手」といいます。人気曲のPVの振りを真似するものもあれば、完全に創作なのもあり、独自のジャンルを築いています。

人気の踊り手になるとアイドル並の人気があり、イベントには大勢ファンが来るとのこと。

学校でもヒップホップダンスをやっているが、正直つまらんらしい。ビデオ見させられて、それ通りやってみる・・・というだけみたい。飽きて人気の「踊ってみた」をやっているグループもあるけど、別になにも言われない、ということでした。そりゃ、先生より上手だったら仕方がないです。

で、そんなに踊れるなら、クラブに興味はないのか? という質問ですが「お金出して踊りに行く意味がわからない」という答えでした。

無料になれた若者

我々にとって踊って自己表現をする場所は、やはりディスコでありクラブであります。しかし、彼らにとって「踊る場所」というのは、インターネット上なのです。お気に入りの踊り手のダンスを見て、自分も踊ってみて、できる人なら自分でも踊ってみた動画を投稿する・・・そうして、一体感を得ているのですね。

自分達が感じる一体感とは、ダンスフロアで曲で一斉に盛り上がる、あるいはユーロビート・ハイパーテクノなどパラパラでみんなで同じ振り付けを踊ることで生まれるグルーヴ。そうやって楽しむためにお金を払って遊びに来ているわけです。

しかし、いまやゲームも「基本料金無料」、音楽もYouTubeやニコニコ動画で見放題・聴き放題。スマートフォン・ネット環境が身近にある中で育った世代(デジタルネイティブといいます)にとって、コンテンツは「タダ」が当たり前なのです。

ダンス必修化に合わせてオーディオメーカーが曲のノンストッップ再生&MC機能をつけた「ダンサーオーディオ」を発売したことがあります。しかし、全く売れず撤退していきました。そんなこと学生は求めていないんですね。

ということで、学校でダンスを必修化したところで、彼らがディスコ・クラブに興味を持つかといえば、話を聞く限りではNOですね。そういうことにお金出して遊ぶとか、ありえないんですよ彼らには。

別の面でディスコ・クラブが危ない?

さて、ここで問題になってくるのが「将来、彼らがディスコ・クラブに遊びに来ることがないのではないか?」ということ。実際に話を聞いた結果では「学生がダンスで興味を持ってディスコ・クラブに行くのではないか?」という大方の予想の真逆の反応でした。

彼らにも踊りたいという欲求はあります。しかし、それを表現するのは、もはやフロアではなくネット上なのです。

彼らが大人になってもディスコ・クラブに行くことはない・・・今後、ディスコ・クラブにも人口減少・高齢化の並が押し寄せるのではないでしょうか。

試験的に学生を中心としたクラブイベント(完全禁煙・ノンアルコール)が行われたことがあります。今後のお客さんを作る種まきだそうです。

人が少なければ、経営ができません。どうやって彼らを集客していくのか・・・数年後、これまでと違った「危機」が訪れるのかもしれません。

 
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