カラフルでキャッチーな曲が最近少ない
最近、やたら明るく・楽しいポップな音楽が少なくなった気がします。90年代のディスコでもTATJANAのSANTA MARIAやME & MYのDUB I DUBなど、無条件でハッピーになれるようなEURODANCEが人気でした。今、こんなカラフルな曲って耳にする機会はありません。なんだかちょっと寂しい気がします・・・。
踊るのに理屈なんていらない! 何も考えずに手を上げろ! ということで、90年代のEURODANCEを再発掘してみたいと思います。
EURODANCEとは
ヨーロッパを中心にポップ・チャートはダンス・ミュージックの勢力が強く、テクノやハウスといったダンスサウンドをアッパーフィールド向けに昇華させたチューンが好評を博していました。主に女性ボーカルによるソロ、あるいは女性ボーカル+男性ラップという組み合わせが中心で、テンポが早く、明るい曲調のものが多いです。
このサイトではEURODANCEと表記していますが、DANCE POPだったりEURO POPだったり、いろんな呼ばれ方してたと思います。こういう音楽を指してEUROBEATと呼ぶ人もいましたし、DJや音楽関係者ですら解釈がまちまちだったり。
さらに、現場ではテクパラ(テクノでパラパラを踊るスタイル)が付いてHYPER TECHNO扱いだったり、もう何でもいいんじゃない? というレベルでカオスなジャンルとも言えます。YouTubeで探したりすると、よくEURODANCEと目にしますし、海外のコンピでもそういう表記が多いので、このサイトでもEURODANCEと統一しています。
90年代のEURODANCE
One More Time/Real McCoy
「ANOTHER NIGHT」「RUN AWAY」などヒットを飛ばしたリアル・マッコイ。よりアップテンポになったこの曲は日本人の感覚にマッチしてヒット。一部のディスコ・クラブで「HERE WE GO AGAIN」が謎のヒットとなったSEQUENTIAL ONEのREMIXも存在します。
Beautiful Life/Ace Of Base
「All That She Wants」「Don’t Turn Around」「The Sign」などのヒットを飛ばし、デビューアルバムも全世界で大ヒットを記録。当時、最も勢いのあったスウェーディッシュ・ポップ・グループのエイス・オブ・ベイス。セカンド・アルバムからのシングルは、これまでのラガ・プップとは異なるEURODANCEでフロアに衝撃を与えました。
Don’t Be Shy/Jamie Dee
イタロ・ハウスの名曲「Memories Memories」の大ヒットで知られるジャミー・ディーが94年にリリースしたキャッチーなメロディが印象的なナンバー。現在でも、その美貌でツイッターやインスタグラムで度々話題となる観月ありさがカバーしていたことをご存知でしょうか?
The Key The Secret/Urban Cookie Collective
通称「UCC」ということで、この英語を聞くとディスコフリークはコーヒーメーカーではなくてアーバン・クッキー・コレクティヴの名前を浮かべるのでは。このナンバーはU.K.でも大ヒットし(最高位2位)、テレビ朝日系「トゥナイトⅡ」のオープニングテーマでもあったため、記憶に残ってる人も多いでしょう。96年には「Armand Van Helden」や「Dancing Divaz」によるバージョンがリリースされ、その後も度々リミックスされたりしています。
Sexy Eyes(M.B.R.G.Remix)/Whigfield
かのメガヒットシングル「サタデーナイト」がU.K.およびヨーロッパを席巻したウィッグフィールド。デビューアルバムはほぼ全曲カットされたんじゃないかってくらい売れまくりました。MAXが独立する際に選ばれたデビューシングルが「サタデーナイト」のカバーだったのは黒歴史ですが・・・個人的にウィッグフィールドといえば「セクシーアイズ」ということで。MBRG Remixは原曲よりも明るくポップで「ウーウーアーアー、セクシーアイズ♪」のかわいいヴォーカルと共にフロアを和ませました。
Butterfly/Smile.dk
「アイヤイヤ~」でおなじみ、フロアはもとより音楽ゲーム「ダンス・ダンス・レボリューション」に収録されたことで、こちらでも大人気だったEURODANCE。ダンスマニア系のCDでもヒット常連でした。フロアでは独特のステップがあったり、ユーロビートRemixはパラパラがついていたりと、各ジャンルで踊られていました。「Boys(Y & Co.Euro Mix)」もおなじみ。
In The Middle Of The Sun/Pow-Wow
そして、知る人ぞ知るバタフライの
パクリアンサーソングであるこの曲。プロデュースは「F.C.F.」などでもおなじみのマウロ・ファリーナが関わっています。
Dub-I-Dub/Me & My
こちらもダンスマニア系。コスプレした美人ねーちゃん達がかわいいダンスポップを歌うんですから、売れないわけがないでしょう。ということで、日本でもデビューアルバムが150万枚売れたというミー・アンド・マイ。パラパラも付いていてフロアでもおなじみでした。
Captain Jack/Captain Jack
微妙なアニメ調の女の子のジャケットで、日本に出回った当初はイロモノ扱いでした。しかし、ダンスマニアに収録されたことにより人気が爆発。ダンスマニア系には欠かせないアーティストとして人気を獲得しました。フロアではテクノよりで「Dream A Dream」などがテクパラで人気あった記憶があります。
Do It All Night/E-Rotic
日本で一番最初にE-Roticを紹介したのは、実は小室哲哉が主催する「Eurogroove」のコンピレーションだったりします。その時はあまり話題になりませんでしたが、やはりダンスマニアのパワーはすごかったですね・・・名前の通りエロい歌詞で話題となった彼らですが、数ある曲の中でも、この曲は現在もテクパラで踊られているナンバー。
Scatman(Ski-Ba-Bop-Ba-Dop-Bop)/Scatman John
未だに人気の高いスキャットマン・ジョン。99年に亡くなられていますが、TVCMに出演するなどお茶の間でも人気のあったアーティストでした。吃音者のハンデを乗り越え、EURODANCEにスキャットをのせるという独自のスタイルが人気を呼び、U.K.やヨーロッパでブレイク。日本でもヒットしました。代表曲はやはりデビューシングルのこの曲ですが、フロアではセカンドシングルの「Scatman’s World」が人気ありました。
Your Love Is Magic/Tatjana
実は80年代から活動しているタジャーナですが、元PWLのストック&エイトキンがプロデュースした「サンタマリア」が大ヒットしたことから一躍有名になりました。こちらは日本でのセカンドシングルで、プロデュースは同じくPWLで中核を担った「Julian Gingell」が担当。哀愁感たっぷりなサウンドは日本人の感覚にマッチしていました。
Don’t You Know/Pandora
「Tell The World」が大ヒットしたパンドラ。アルバムが50万枚を超えるヒットになったことから、地元に大きな家を新築したとか。こちらで紹介するのは、ハイスピードなテクノポップにラップを載せ、サビでパンドラのボーカルが炸裂する典型的なEURODANCEの「Don’t You Know」。
Ooh Aah… Just A Little Bit/Gina G.
元々はU.K.ハウスの名門「パルス8」からリリースされたナンバーですが、リミキサーのMotiv8がアレンジしたバージョンで再リリースしたところ大ヒットという、U.K.ではよくあるパターン。「I Belong To You」「Fresh!」「Ti Amo」も日本のクラブチャートで軒並みヒットしました。