Another Rainbow/Mike Izon

「Mike Izon(マイク・アイゾン)」はハワイのラガ・ポップ・アーティストであり、2010 年にアルバム「Book of Clichés」でデビューしている。

2012年にアジア系アメリカ人の音楽・ダンスなど近代芸術におけるタレント・コンテスト「Kollaboration」に出場し、アジアン・アメリカン・ミュージック・アワードで見事に大賞を受賞している才能の持ち主だ。

このイベントを通じて、香港で開催されたアジアの大型ミュージック・アワード「Mnet Asian Music Awards」にも出場している。

彼の才能が爆発したのが 2018 年にリリースされたレゲエ・ナンバー「Purple Haze」だ。

リリース後、すぐハワイで大きな話題となり、チャートを駆け上がって行く。

そして、その勢いをそのままにチャート首位を獲得。

並み居るメジャー・アーティストと肩を並べるくらい、彼の奏でるサウンドは島中を席巻した。

2019 年に「Brown Sugar Girl」、2021年に「Summer Days Are Here Again」をリリース。

「Summer Days Are Here Again」はラガ・スタイルを抑えめに、アコースティックなポップサウンドへとアプローチを試みている。

リミックス・バージョンもリリースされており、担当しているリミキサーが「Pete Hammond(ピート・ハモンド)」だ。

ピートといえば、1980 年代にハイエナジー・サウンドで世界中を席巻したストック・エイトキン・ウォーターマン(通称「SAW」)のプロダクション「PWL」のエンジニアとして活躍している。

ジグソーの「Sky High」のリミックスが有名であり、このナンバーをディスコで聞いた・踊ったという人も多いだろうし、カイリー・ミノーグやリック・アストリーなど PWL アーティストのリミックスにも彼の名前がある。

1990 年代からは邦楽アーティストのリミックスを数多く担当しており、篠原涼子 や Every Little Thing などのアレンジを担当。

ピートは 1990 年代中期にシャラマーの大ヒット「A Night To Remember」のラガ・ポップ・カバーを隠れたヒットとして放っている。

マイクのナンバーをリミックスということでこちらの路線をイメージしたのだが、1990年代のユーロダンス・スタイルのアレンジだったので驚いた。

ジグソーのカバー「Sky High」をカバーしてディスコ・ヒットさせている「Newton」の「Sometime When We Touch」「We Are All Alone」でもピートが良質なリミックスを提供しているが、その頃の言わば「古臭い」サウンドである。

しかし、近年「Back To 90’s」としてこの頃のユーロダンスを復活させようというムーヴメントも見えてきている。

キャプテン・ジャックやマスター・ボーイなど、当時活躍したアーティストがオールドスクールなユーロダンス・ナンバーをリリースしたり、Eurotoronic など新規のユーロダンス・アーティストが出てきたりと盛り上がっているのだ。

さて、2022年リリースの新曲「Another Rainbow」にも、ピートがエンジニアとして参加している。

オリジナルはラガ・ポップへと回帰しており、ファンとしては「これぞマイク!」といったドライブ感あるナンバーだ。

そして、リミックス・・・「Summer Days Are Here Again」のようなアレンジかと思いきや、またまた予想を裏切ってくれた。

1980 年代の PWL サウンドを彷彿とされるハイエナジー・サウンドがそこにあったからだ。

元々レゲエをベースに「Another Rainbow」は様々なジャンルを内包したサウンドとして完成しており、ピートもユーロだけでなくレゲエ・ラテン・テクノ・ハウスなど様々なジャンルを製作してきている。

「雨の後には、必ず虹が見えるから・・・」平和、人種平等、そして地球を救うことへの敬意・・・ジャンルを変えても、そんなメッセージが乗せられた楽曲はマイクの力強く・伸びのある歌声と共に心に染み渡る。

Another Rainbow/Mike Izon

Another Rainbow (Pete Hammond Rainbow Dance Mix)/Mike Izon

Amazonで詳しくチェック

関連記事

TOP