富山県には高岡市の「ちゃんぽん」のように、微妙な麺類が存在しています。他にも射水市役所新湊庁舎食堂にうどんのつゆにラーメンの麺を入れた「かけ中」というものがあって、これは麺はラーメンなのに、つゆがうどんなのでさっぱりとしているのが特徴なんですよ。
かけ中を販売しているエスケーシーデリのホームページでは「お客様のお声かヒントをいただき開発した」とあるが、どこかで「二日酔いの人がリクエストした」と聞いたことがあります。
そんな二日酔いのときに食べるのがいい感じな、すばらしいバランスの一品。だが、30年前からあり、柴田理恵認定ゆるゆる世界遺産でも認定されているのに、このかけ中を知っているという人は少ないのですね。微妙に知る人ぞ知るB級グルメなのです。
ラーメンの麺+うどんつゆ
しかし、似たような食べ方をする地域は他にもあります。
新潟県上越市では「かけ中か」として存在している。上越タウンジャーナルでは、
中にはこんなの中華じゃない、と怒る人もいる。和風スープなのであえて”中華”とはしなかった
とのこと。文化放送のラジオ番組「純喫茶・谷村新司」でも紹介されたそうです。同じような食べ方ですが、富山のかけ中とは関係ないようです。
参考:上越タウンジャーナル「<冬企画3>上越と富山にしかない『和風中華』!?」より
鳥取では「素ラーメン」
鳥取にもラーメンの麺をうどんつゆで食べるものがあり、こちらでは「鳥取素ラーメン」と呼ばれています。「素ラーメン」だと何も入っていないラーメンと思われることがあるため、今は「鳥取素ラーメン」と呼んでいるっぽい。
デイリーポータルZの記事「ラーメンをうどんに入れるとおいしい」では、この素ラーメンがいくつか紹介されています。中には「冷やし素ラーメン」もあるとのこと。
きなんせ鳥取素らーめんの会のサイトでは、この鳥取素ラーメンを下記のように定義しているようです。
「素ラーメン」の定義
- スープはうどんダシ
- 具はもやしとネギとかまぼこ
- 天かすがトッピングできる
- 好みでコショウを振る
呼び方は違えど、富山の「かけ中」や新潟の「かけ中か」と同じものでしょう。一度、食べたことはあるが、自分で作りたくなったので、やってみることにしました。今回は「鳥取素ラーメン」の定義を再現してみることに。
参考:鳥取のご当地ラーメン「鳥取素らーめん」より
自分で作ってみる
ということで、ラーメンの麺とうどんつゆの一杯を作ってみました。
スープはうどんつゆ、麺はラーメンの中太麺、もやしとネギとかまぼこ、そして天かすという黄金の組み合わせ。かまぼこが富山特有の渦巻形なのは仕方がないですね!
食にこだわりがある方にも食べていただいたが、比較的いい反応をいただきました。スープが濃くなく、さっぱりとしていて重くない。スープは薄めだが、かまぼこの塩気が効いていてちょうどよく、シャキシャキのもやしともよい相性。天かすの脂っぽさがあって思ったより腹にたまる・・・非常にバランスのとれた一杯であると確信なのです。
しいていえば、魚介系のダシを効かせればよいのではということで、今度は煮干ダシでスープを作ってみたいと思います。