近年、80年代・バブル・ディスコといったキーワードを頻繁に聞くようになりました。それと一緒にディスコ関連の動きもいろいろ出てきています。お笑い芸人でもバブルをネタにしたり、CMでも80年代のヒット曲が流れ、みんな同じ振り付けで踊っている姿があったり・・・。
ディスコ・イベントも各地で行われているようです。さすがにマハラジャみたく大箱での復活はあまりないですが、クラブやイベントスペースを貸しきってディスコ・イベントが開催され、当時を懐かしむ人以外にも若者も興味を持って足を運んだりしていました。
自分もとあるイベントでカウンターやってたことあるんですが、ディスコを知らない世代の人が「楽しかった!」と笑顔で帰っていく姿を見て、やっぱりディスコはいいなと思ったりしたものです。クラブもいいけど、ディスコも楽しんでほしいですね。
さて、一口にディスコやクラブといっても、意外と違いを説明したりするのは難しいのではないでしょうか。DJがいて、音楽が流れて、お酒を飲んで、フロアで踊る・・・実際、基本的なことは一緒。でも、やはり両者は別のものとして扱われます。
「ディスコは昔の言葉で、今はクラブ」「ディスコとクラブでは、かかる曲が違う」という乱造な言い方もあったりしますが、いろいろ基準があったりするようです。
ディスコとクラブの違い
法律的な違い
ディスコとクラブの営業は、いわゆる風営法で分類されています。Wikipediaによるとディスコは下記のとおりになります。
ディスコ営業は、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」において「風俗営業」であり、「『ナイトクラブその他設備を設けて客にダンスをさせ、かつ、客に飲食をさせる営業(第一号に該当する営業を除く。)』とする第二条第一項第三号・ナイトクラブ」に分類される。飲食店は深夜営業を認められているが、ダンスをさせると日の出から深夜12時までの営業(商業地は午前1時まで)しか認められていない。
クラブはディスコと違い、深夜まで営業していることが多いですが、Wikipediaではこのように説明しています。
- 飲食店として登録し、風営法で定められた営業時間規制を免れる(風俗店登録をし営業許可を得るディスコは通常24時、東京都では条例により商業地の場合午前1時閉店が義務づけられる)。
- 摘発時に店舗が責任を逃れられるよう、イベントの運営についてオーガナイザー(イベント主催者)への外部委託とし、店舗は直接関与していないこととしている。
- 小規模で目立たぬように経営される(派生的に、固有の細分化された音楽性を打ち出した店舗が多くを占めるようになったのも「ディスコ」との相違である)。
ディスコは店がダンスフロアを設置し、DJを雇い、音楽をかけて「客を躍らせる」ことができる娯楽施設だといえます。お金を払って遊びに来たお客さんを、煽ったり盛り上げたりして、いわば「接客」することができるわけです。
クラブはイベントごとにオーガナイザー(主催者)がいて、彼らがDJを集めてイベントスペースとして場所を貸しているにすぎません。店は関与しませんので、盛り上げたりもしません。飲食店で音楽がかかっていて、ちょっとスペースがあってそこで人が踊っていたとしても、それは各個人が勝手にやっているだけ。あくまで店は場所とドリンクを提供するだけです。
クラブでなんかトラブルがあったとしても、店は場所を貸しているにすぎないので「イベントのスタッフに聞け」とそっけない態度のことが多いです。まぁ、そういう理由だからです。
なぜ「深夜営業」に焦点があるのか
クラブの営業は場所・地域によっても異なりますが、基本的に夜から早朝にかけて行われます。わかりやすく言えば「終電で遊びに来て始発で帰る」時間に合わせて営業するのです。理由はクラブの収益のほとんどがお酒などのドリンクだからです。
ディスコは入場料のみでフリードリンクといったとこが多かったですが、それだと人気低迷・人口減少といった状況によって収益が悪化します。昔は「女1人来れば男5人来る」といった状況で、女性は入場無料とかというとこもありました。
しかし、そういうシステムはもう通用しなくなりました。しっかりドリンクで売上を上げなくてはいけません。ということで、少しでも滞在時間を伸ばしてドリンクを売りたいわけですね。なら、物理的に帰れない状況を作ればいいわけで、始発まで帰れない時間帯に営業するところが多くなったわけです。
風営法だと24時までしか営業できないので、みんな終電で帰っちゃいます。だから、どうしても風営法をくぐり抜けた営業をしたいわけです。クラブの深夜営業がいろいろ問題になるのはこのためです。
なお、2015年に改正風俗営業法が可決・成立し、2016年6月23日に施行させれました。これによりクラブは、店内の明るさなど「特定遊興飲食店営業」としての条件を満たしていれば、深夜営業ができるようになりました。
しかし、法律にあいまいな部分があるため、スポーツバーやライブハウスなどの営業に問題が出てきているようです。まだまだ、混乱は続きそう。
音楽性の違い
ディスコ
曜日によって「オールディーズナイト」や「ユーロビートナイト」など、特定ジャンルのイベントがあってりしますが、基本的にいろんなジャンルの音楽がかかります。
みんなが楽しむという場所なので、メジャーで有名な曲が多くプレイされますね。DJも盛り上げることが重要なので、選曲もミーハー一直線です。そして、よくMCもします。よくしゃべります。よく煽ります。
クラブ
クラブはイベントごとにジャンルが決まっていることが多いです。営業日にそれぞれオーガナイザーがいるので、そのオーガナイザーによってイベントのジャンルが決まるからです。ハウスならハウス、トランスならトランスしかプレイされません。まれにオールジャンルのイベントを打つオーガナイザーもいますが、集客は厳しいと言っていました。
クラブは雰囲気が全てなので、選曲にかなり気をつかいます。お客さんの反応をみて少しずつテンションを上げていき、どこで盛り上げるか・・・そういう「空気」を作ることに、DJは常に気を配っているのす。
営業的な違い
ディスコ
ディスコは遊戯施設なので、スタッフも親切・丁寧です。遊園地でスタッフにそっけない態度をとられたら「もう2度と来るか!」と思うでしょう。同じように接客はしっかりしています。
また、ディスコにはドレスコードがある場合が多いです。踊りに来る・遊びに来るのに相応しい格好でないと、入場できない場合がありました。例外的に「カジュアルナイト」として、カジュアルな格好でもOKなイベントもあったりしました。
クラブ
店としてはスペースを貸しているにすぎないので、それ意外のことには基本ノータッチです。ドリンクの持ち込みしてるヤツを追い出したりとか、それくらいしかしません。
オーガナイザーが集めたスタッフもいますが、ピンからキリまで。まともな人もいれば、態度のでかいクソまでいろいろ。よいオーガナイザーにはよいDJ・スタッフも集まるので、オーガナイザーがどんな人なのか事前にチェックすると自分に合ったパーティーを見つけることができるでしょう。
服装は常識的にあまりにもおかしい格好でなければ問題ありません。イベントによってはドレスコードがある場合もありますが「○○の服装で入場の方は1ドリンクサービス!」みたいに、イベントを盛り上げるスパイスのようなもので、強制ではありません。