かつて、過激なデスマッチ路線を売りに、インディーズ・プロレスで絶大な人気を博したFMWの大仁田厚。引退と復帰を繰り返しながら現在も「超戦闘プロレスFMW」を立ち上げ、各地で暴れまくっています。
女子の長与千種とタッグを組み、初代爆破王タッグ王者決定戦として行われたノーロープ有刺鉄線電流爆破デスマッチで大きなインパクトを与えました。東京スポーツ新聞社制定最優秀タッグ賞に選ばれたことでも話題となりましたね。
2019年からは大日本プロレスにもまさかの電撃参戦を果たし、衝撃を与えました。
そんな大仁田厚が1993年に出版した本「男の教科書」の「はじめに」は、このようなことが書かれてあります。
子供の無限の創造力
※この六つの点を一本の線で結んでくれ。すべてはここから始まるんだ。
六つの線を一本書きしたとき、あなたはどのように書いたでしょうか。ほとんどの人は長方形になるように書くと思います。大仁田厚は、この線をどう結んだかによって、想像力がどの程度なのかわかるといいます。
子供の頃を思い出してくれ。幼い頃は大抵の奴が、ある奴は星形に点を結んだり、ある奴は菱形に結んだり、それこそさまざまな格好の図形を作るものだよ。
それが年をとって大人になるにつれ、きっちりと長方形に点を結ぶようになる。このことは何を意味すると思う? 子供の頃は無限の可能性と創造力を持っているものなんだ。だから、大人が想像もつかないような図形を描く。大人になって、いわゆる社会的常識を叩き込まれるにつれ、創造力は恐ろしいほどの勢いで減少していくんだ。
線はきれいに結ばなきゃいけない、という常識はどこで叩きこまれたのでしょう。あるいは、イマジネーションを広げ、自由に描くということをどこで忘れたのでしょう。
日本の教育において、独自のユニークな答えを出すことは悪とされます。正しいとされる答えがあって、それを答えることしか評価されません。叩かれた子供は創造することはやめてしまい、いわゆる「社会的常識」を持った人間が量産されていきます。
奇跡のジャズシンガー、綾戸智恵は「ドラゴン桜公式副読本:16歳の教科書2」で、英語での授業体験を書かれています。
中学の時、万博とかジャズクラブ通いのおかげで、わたしには外国人の友達がたくさんいたの。そこで、英語の教科書を彼らに読んでもらうのね。そうやって彼らの発音、リズム、アクセントをしっかり覚えて、授業になったら得意気にスラスラ読み上げるわけ。
もう外国人みたいに「アーハン?」とか「オゥ、ノー!」とか挟みながら。クラスのみんなは「すげー」って喜んでくれる。
ところが先生は、「なんだその読み方は!」って怒っちゃうのよ。
大人は自分の中で「枠」を決め、その枠を超えると評価しなくなる。最高すぎる答えは、最低と一緒になってしまう、といいます。
こんな教育のせいで、何年も英語を勉強するのに、英語を話せない日本人が多い理由がよくわかります。
そうやって、創造することを否定され続けた人間が社会に出て行くわけですが・・・それでいいのか、考えさせられますね。だって、正先端なものって、だいたい異質なものから創造される「ユニーク」なものばかりなのですから。
竹島慎一郎著「創造性を高める右脳メモ術」には、このような記述があります。
日本の小学生は正解を答えるとほめられるのに対し、イギリスの小学生は、ユニークな答えをいろいろ出した子どもがほめちぎられるのだそうだ。知人で日本で英語教師をしている人に尋ねると、イギリスでは授業の発言の場を重視し、ユニークな答えを積極的に出させるような教育方法をとっているという。
イギリスでは生徒の創造性を重視した授業がされているそうです。日本では、まったくそういった創造性を育む授業はされていません。前述通り、枠内に収まらなければ評価されないシステムなのですから。
だからといって、教育を否定したり、自分の答えを貫き通したりすると、孤立してしまいます。そこは、合わせていくしかないでしょう。
しかし、ユニークな創造力や感性は絶対に忘れないように!