オリビア・ニュートン=ジョンは70年代には「I Honestly Love You(愛の告白)」や「Have You Never Been Mellow(そよ風の誘惑)」などのカントリー系、80年代には「Magic」「Xanadu」「Physical」といったディスコ調のサウンドで人気を博したアーティストです。
そよ風の誘惑やザナドゥなどはBGMなどで普段でも耳にする機会が多いのではないでしょうか。コンビニに行った時もよくそよ風の誘惑のオルゴール・バージョンが流れていたりして、思わず口ずさんでしまうこともあります。
非常にカバーも多い彼女の楽曲ですが、オリビア・ニュートン=ジョンのダンスカバー専門プロジェクトがありまして、「The Olivia Project」として90年代半ばより彼女の代表曲をリメイクしたダンス・ヒットを飛ばしています。
ユーロダンス・コンピレーション「ダンスマニア」シリーズで人気だったほか、特にアーケードゲームの「ダンス・ダンス・レボリューション」で初心者向けの楽曲としておなじみでした。
今回はそんなプロジェクトのご紹介をします。
「The Olivia Project」とは
オーストラリアのDJ・リミックスチームであるジェームス・シーバンとジェームス・アーノルドによるプロジェクトで、当時はオリビアのザナドゥをリミックスしてクラブでかけていたところ評判となり、ボーカルにポーラを加えて「The Olivia Project feat.Paula」として「ザナドゥ」をリリース。
オーストラリアのクラブを中心に人気となり、日本でもラジオ曲を始めクラブでもヒットしました。
特に名古屋のZIP-FMでは第2弾シングル「フィジカル」をZIP-FMバージョンとしてリミックスされ、チャートで1位となっています。東海地区では非常に人気の高かったプロジェクトですが、人気を決定づけたのが「そよ風の誘惑」のカバーでしょう。
「そよ風の誘惑」は日本のリミックスチーム「KCP」によってリミックスされ、当時人気だったダンスコンピレーションアルバム「ダンスマニア」に収録。さらにそこから大ブームを起こしたダンス音楽ゲーム「ダンス・ダンス・レボリューション」に収録され、難易度が一番低い曲ということもあって、誰もが最初にプレイする楽曲として親しまれました。
リミックス・プロジェクトなのでアーティスト性は皆無ですが、楽曲の良さとリスペクトによって人気を得た数少ないプロジェクトの一つでしょう。
2009年には「ザナドゥ」「フィジカル」の2曲がイギリスのハイエナジー/ハンドバッグ系サウンド専門レーベル「Almighty」によって「Almighty vs.Olivia」というプロジェクトで再生されています。
Xanadu/Almighty vs.Olivia
「Xanadu(Almighty Anthem Radio Edit)」他、6曲収録。
Xanadu/Almighty vs.Olivia
「Physical(Almighty Anthem Radio Edit)」他、4曲収録。
日本には入ってきていないので知る人ぞ知るレアなナンバーでしたが、デジタル配信のおかげで気軽に入手できるようになりました。
時代の進歩に感謝。
こうして、一部のマニアに根強い人気を誇るオリビア・プロジェクト。このまま埋もれてしまうのも、もったいない気がするのでここで紹介したいと思います。
The Olivia Projectアルバム一覧
Magic/The Olivia Project
全16曲。日本語版のみボーナストラック2曲追加収録。
こちらでは日本版CDについてご紹介します。
日本のみのボーナストラックが入っているので、オリジナル版とは少々構成が違います。
また、デジタル配信版も日本独自のボーナストラックが収録されてませんので、お気おつけください。
1:Have You Never Been Mellow(KCP Remix)
「そよ風の誘惑」のカバーで、アルバムではこのリミックスがボーナストラックとして1曲目に収録されています。ダンスマニア、およびDDRでこのリミックスが採用されていることから、やはり外せないナンバーですね。日本人向けの哀愁感のあるEURODANCEに仕上がっています。このリミックスはコンピレーション「ダンスマニア・デラックス3」に収録されました。
収録CD(Amazon):Dancemania Delux 3/V.A.
収録CD(Rakuten):「Dancemania Delux 3」で検索
2:You’re The One That I Want
オリジナルは1978年に公開されたミュージカル映画「グリース」のサウンドトラックに収録。邦題は「愛のデュエット」で、イギリスやアメリカ他各国でNo1に輝いた大ヒットナンバー。オリビアとジョン・トラボルタのデュエット曲です。マライア・キャリーもカラオケで十八番にしているとか?
デジタル配信(Amazon):Grease(The Original Soundtrack From The Motion Picture)/V.A.
収録CD(Rakuten):「グリース サウンドトラック」で検索
3:Hopelessly Devoted To You
邦題は「愛すれど悲し」。「愛のデュエット」同様、オリビアとジョン・トラボルタが出演する1978年のミュージカル映画「グリース」のサウンドトラックに収録されています。第51回アカデミー賞の歌曲賞にノミネートされました。
デジタル配信(Amazon):Grease(The Original Soundtrack From The Motion Picture)/V.A.
収録CD(Rakuten):「グリース サウンドトラック」で検索
4:Suddenly
邦題は「恋の予感」で、1980年公開の映画「ザナドゥ」のサウンドトラックに収録。オリビアとクリフ・リチャードとのデュエット曲で、イギリスのシングルチャートで15位をマーク。ビルボードのアダルト・コンテンポラリー・チャートでは最高位4位を記録しています。
収録CD(Amazon):Xanadu(The Original Soundtrack From The Motion Picture)/V.A.
収録CD(Rakuten):「ザナドゥ オリヴィア・ニュートン=ジョン サウンドトラック」で検索
5:Have You Never Been Mellow
1曲目のオリジナルバージョン。原曲は1975年にリリースされ、ビルボードTOP100で1位を獲得。北米やオーストラリア、日本でも大ヒットしましたが、イギリスをはじめ他国ではチャートインしていない国によって評価の分かれる楽曲でした。
収録CD(Amazon):Have You Never Been Mellow/Olivia Newton-John
収録CD(Rakuten):「そよ風の誘惑 オリヴィア・ニュートン=ジョン」で検索
6:Make A Move On Me
1981年にリリースされたオリビアの大ヒットアルバム「フィジカル」に収録。翌年にアルバムから2枚目のシングルカットとしてリリースされ、ビルボートHOT100で5位を記録しました。やはり「フィジカル」の印象が強いですが、ダンスポップとしての評価も高く、人気の1曲となっています。
収録CD(Amazon):Physical/Olivia Newton-John
収録CD(Rakuten):「フィジカル オリヴィア・ニュートン=ジョン」で検索
7:Twist Of Fate
邦題は「運命のいたずら」で、ジョン・トラボルタとオリビアが主演する映画「セカンド・チャンス(Two of a Kind)」のサウンドトラックからのシングルカット。ビルボードHOT100で5位の大ヒットを記録していますが、その他の国では北米・オーストラリア以外あまり人気がでませんでした。
収録CD(Amazon):Two of a Kind(The Original Soundtrack From The Motion Picture)/V.A.
8:Heart Attack
1982年に発表されたオリビアのベストアルバム「OLIVIA’S GREATEST HITS 2」に新曲として収録され(もう1曲は「Tied Up」)、シングルカットされたナンバー。全米で3位を記録しているほか、北米で2位、フランスではナンバーワン・シングルとなった大ヒット曲です。
収録CD(Amazon):Olivia’s Greatest Hits Vol.2/Olivia Newton-John
収録CD(Rakuten):「グレイテスト・ヒッツ2 オリヴィア・ニュートン=ジョン」で検索
9:Magic
「恋の予感」同様、映画「ザナドゥ」のサウンドトラックよりシングルカットされ、4週に渡って全米1位のヒットとなりました。また、北米でも2週に渡ってチャートTOPに輝き、各国でも人気でした。ジョン・レノンも亡くなる直前のインタビューで最近気に入った曲としてこの「マジック」をあげています。
収録CD(Amazon):Xanadu(The Original Soundtrack From The Motion Picture)/V.A.
収録CD(Rakuten):「ザナドゥ オリヴィア・ニュートン=ジョン サウンドトラック」で検索
10:Xanadu
同じく映画「ザナドゥ」より、イギリスを始めオーストリア、ドイツ、オランダなど様々な国でチャート1位を記録した大ヒットナンバー。オリビアのライヴでは「マジック」「恋の予感」「ザナドゥ」の3曲は欠かせない楽曲だそうで、彼女の代表曲ともいえます。
収録CD(Amazon):Xanadu(The Original Soundtrack From The Motion Picture)/V.A.
収録CD(Rakuten):「ザナドゥ オリヴィア・ニュートン=ジョン サウンドトラック」で検索
11:Physical
そして、大胆な路線変更でヒットとなった「フィジカル」。当時流行していたエアロビクスを意識したPVや意味ありげな歌詞など、いろいろ(良い意味でも悪い意味でも)話題になった曲です。
収録CD(Amazon):Physical/Olivia Newton-John
収録CD(Rakuten):「フィジカル オリヴィア・ニュートン=ジョン」で検索
Bonus Tracks
以下はボーナストラックとして収録されているリミックスです。
16曲目の「Physical(ZIP-FM Version)」は日本版限定収録のリミックスで名古屋のラジオ局「ZIP-FM」によるバージョン。
「Xanadu」と「Physical」のメガミックス風なアレンジで一度に両方の曲を楽しめる、おもしろいリミックスとなっています。
12:You’re The One That I Want(Funky Weaponry Mix)
13:Physical(High Cholesterol Mix)
14:Xanadu:(Definitive Mix)
15:Magic(Funky Weaponry Mix)
16:Physical(ZIP-FM Version)
Magic/The Olivia Project
全16曲。日本語版のみボーナストラック2曲追加収録。