個人的にも「dream」は注目していたグループで、デビューシングル「Movein’ on」はよく聞きました。クラブでもユーロビートバージョンがプレイされたり、ラジオでもちょくちょくかかっていました。
当時バイトしていたゲーセンでも有線でよく流れていたので、一人テンションが高かったり・・・そんな古い思い出。
そんななかでも一番好きだったのが「reality」で、自分がDJになったときよくこのナンバーをプレイしてました。初代dreamはよかったな・・・と思いながら、メンバー増員でアイドルさが増した2期のdream。
ディスコおじさんだし個人的にも「Music Is My Thing/ Samantha Gilles」も好きよ? でも、なんか違うなあ・・・なんか、アニメ「ヒカルの碁」とタイアップしているし。
と、2期の路線に疑問があって、あまり好きにはなれなかったんですよ。でも、数年ぶりにアルバムを聞いてみると・・・あれ、おもしろいんじゃないの? と思うようになったり。
ということで、この「dream world」をちょっと紹介したいと思います。
2期のdream
dreamはavexが開催したオーディション「avex dream 2000」で選ばれた松室麻衣、橘佳奈、長谷部優の3人によって結成されたグループで、2000年1月1日にデビューシングル「Movin’ on」をリリースしています。2002年に松室麻衣が脱退し、追加オーディションで新たに6人が加入。8人体制のグループへと移行しました。その後も紆余曲折をへて現在でもDreamとして活動しており、ガールズ・エンタテインメント・プロジェクト「E-girls」をはじめ、ドラマやバライティ番組、女性誌など各方面で活躍しています。
その2期dreamの最初のアルバムが「dream world」で、全編80~90年代のハイエナジー・ユーロビートという構成。過去にユーロビート・リミックス&カバーオンリーの企画アルバムを出していますが、全曲がかつてフロアを沸かせた名曲のカバーという内容に賛否がありました。2期最初のシングルがサマンサ・ジルズの「MUSIC IS MY THING」のカバーでしたが、まさか全部カバーとは思わなかったという当時の印象があります。
当時は「Night Of Fire」から火が付いた第三次ユーロビートブームが終わりを迎えていた時代で、実はこの頃よりクラブでは80’sブームが復活していました。VELFARREでも元マハラジャ社長の成田勝氏を総合監修に迎えた「恋のお立ち台」が開催されるなど、大箱でもお立ち台イベントが行われ、80~90年代の曲が再評価されてた時代です。
「dream world」も、そのような流れに合わせて制作されたものだと思いますが・・・モーニング娘。を意識した人員構成で、アイドルとして売り出しているのに、クラブ・ディスコに行かない一般層にこんな楽曲構成で売れるの? という感じでした。迷走していた感じがありましたね。
しかし、改めてアルバムを聴いていると、当時の10代の感性で歌われたかつてのヒット曲というところが10年越しにおもしろく感じられました。このアルバムはあまり聴いてなかったのですが、寝かせると変わるなーと思ったり(自分の感覚が変わっただけなんですがね)。
ということで、2期dreamの最初のアルバム「dream world」を見直してみたいと思います。
dream world
1:In the name of love
オリジナルは「Cha-Cha-Cha」でおなじみのフィンツィ・コンティーニで、こちらは89年にリリースされたフロアの定番曲「In the name of love」のカバー。「Cha-Cha-Cha」ほど知名度はありませんがイベントではよく耳にしますし、コンピレーション「VERFALLE 9th Aniversarry」にも収録されていたりと、世代を超えて愛されているナンバーです。2:I BELIEVE IN DREAMS
オリジナルはジャッキー・ラウェの「I Believe In Dreams」。こちらもフロアではおなじみのハイエナジー・ナンバー。Bメロ「When you take me,touch me,hold me,love me・・・」からサビに盛り上がっていくところでメチャクチャ高まる曲ですが、そのあたりもちゃんと再現されていますね。U.K.のハンドバッグ系レーベル「Almighty Records」によって何度か現代風のサウンドにリメイクしてリリースされています。3:EVER AND EVER
オリジナルはヴェニスの「Ever And Ever」。こちらもディスコ系のユーロビートイベントでは欠かせない1曲ですね。この曲がプレイされると「もうそろそろ、閉店の時間かぁ」なんてちょっとさみしい気分にもなったりしたのもいい思い出。4:E.I.E.N
オリジナルはホット・ゴシップの「Break Me Into Little Pieces」。振り付けもあって非常に人気の高い1枚ですが、全体的に漂うダークな哀愁感がちょっと使いづらく、この曲を回したあとはホッとするという当時のDJの話を聞いたことがあります。オープニングやラストで流れることが多かったですね。5:Turn It Into Love
オリジナルはカイリー・ミノーグのアルバム収録曲で、日本限定でシングルカットされたナンバー。Winkのカバーも大ヒットし、日本での成功を受けてU.K.ではヘイゼル・ディーンのバージョンが制作されてヒットしました。この曲はWinkのカバーではなく、メンバーである長谷部優が作詞しています。6:Passion
オリジナルはEVEの「恋はパッション」。アップルズとしてデビュー後、スタジオミュージシャンとして様々なアーティストのバックコーラスを務めています。EVEは日本人アーティストですが、原曲は英語で歌われています。たしか、後にセルフカバーで日本語バージョンを歌っていますね。7:King & Queen
オリジナルはKing & Queenの「King And Queen」。タイトルとアーティスト名がややこしい。dream版ではアーティスト名がカバーの曲名になってるので、さらにややこしい。伝説のディスコ「King & Queen」をイメージして作られた楽曲で、ユーロビートイベントでも定番中の定番な1曲でした。8:カケラ
オリジナルはライムの「Unexpected Lovers」。全英ハイエナジー・チャートを制覇した世界的ヒットナンバーです。日本では思いがけない恋という邦題でおなじみの楽曲ですね。Eri(菅井えり)とのREMIXも話題になりました。9:Help me
オリジナルはメラの「Help Me」。こちらも、ディスコでは外すことができない息の長い1曲です。ボーカルはクララ・モローニ(今の人だと「Yesterday/Cherry」の中の人と言えばわかる?)ですが、メラ自体がスタジオ・プロジェクトなので楽曲によってボーカルは変わりますので注意。自分はサブカルチャー系イベントでDJやってたことがあるのですが、dreamのHelp Meを回してみたところ意外とわかる人が多かったことを覚えています。10:GIRL’S NIGHT
オリジナルはピート・シェリーの「Telephone Operator」。U.K.でバズコックスというパンクバンドをやっていたというピート、そのロックでうねるようなグルーヴがフロアでは激アツでした。元パンクというとで、あまりディスコに行かないパンク・ロックファンもこの曲は聞いていたという人が結構いました。11:Hot Stuff
オリジナルはドナ・サマーの「Hot Stuff」。ディスコの超定番曲として説明不要なくらいヒットしました。様々なアーティストによってカバーされたり、サンプリングのネタとしてもたびたび使われているので、ディスコに興味ないという人でもこの曲は知っているという人は多いでしょう。個人的には「I Feel Love」もオススメ。残念ながら、ドナ・サマーは2012年にお亡くなりになりました・・・。12:MUSIC IS MY THING
オリジナルはサマンサ・ジルズの「Music Is My Thing」。「One Way Ticket To Heaven」「S.T.O.P.」「Hold Me」といったハイエナジーナンバーを次々ヒットさせ、その哀愁漂うサウンドとサマンサのボーカルに酔いしれたという人は多いでしょう。このdreamによるカバーはアニメ「ヒカルの碁」のテーマ曲にもなっていました。1期dreamのユーロビートEP「EURO “dream” land」をご紹介!
今回は2期dreamのアルバムをご紹介しましたが、1期dreamのユーロビートEP「EURO “dream” land」をウェブストーリーでご紹介しています!
収録曲など気になる方は、ぜひチェックしてみてくださいね!