ディスコ・ブームに湧いた70~80年代。次々とリリースされるディスコ・サウンドの中には「どうしてこんな曲を作ったし?」という疑問符がつかざるを得ないナンバーもあったりします。
正統なディスコ・ミュージックで競合ひしめくチャートに攻め入るのも手ですが、レーベルによっては変化球で勝負するところもありました。どのジャンルでも極めてしまうと普通のサウンドでは物足りない体になってしまう人っているわけでして・・・そのような、極少数のニッチな方面に向かって全力で作られたディスコ・ミュージック達。
当時は見向きもされませんでしたが、今となってみればそういうのもあったと懐かしんでみたり。近年でも「ディスコお富さん」なんかがCD化されて話題にもなりました。そういう変なディスコ・ナンバーを集めたコンピレーションも発売されています。
変なディスコ・ミュージック
ニッチな層に向けて作られた、あるいは本気で作ったはずなのに明後日の方向へと突き進んだディスコな楽曲たち。そんなナンバーを見てみたいと思います。
ディスコお富さん/Ebonee Webb
歌舞伎の「与話情浮名横櫛」をもとに作られた春日八郎の出世作である「お富さん」ですが、70年代のディスコブームのときにエボニー・ウェッブがディスコアレンジとしてカバーしました。これがヒットし、「ディスコ花笠音頭」も作られたりしましたが話題にならず撤退。しかし、そのインパクトからディスコマニアの間では記憶に残るグループとなっています。近年、この曲がなぜか話題になりCDがリリースされるなど、この手の歌謡ディスコが盛り上がりを見せました。
収録CD(Amazon):ディスコお富さん+1/Ebonee Webb
ヘイ! ミスター・ヨサク/BARRACUDA
ヨサクと聞いてすぐ北島三郎の「与作」を思い浮かべるわけですが、残念ながら当たりでその「与作」の英語ディスコカバーになります。2000年代に発生した第三次ユーロビートブームのときは本家北島三郎の与作がユーロビートアレンジでフロアで流れたりしてました。
収録CD(Amazon):変DISCO/V.A.
Psycho Chiken/The Fools
「ザ・フールズ」が1977年に発表した曲で、チキン。にわとりさんな曲。聞き覚えがあるな、と思ったらアメリカのパンクバンド「トーキング・ヘッズ」のヒット曲「サイコ・キラー」をパロディにした迷曲なわけでした。曲の途中に入るにわとりさんの「コケコッコー!」で何とも脱力してしまいます。
収録CD(Amazon):Psycho Chiken/The Fools(Vinyl-Single 7″)
Disco Space Invaders/Funny Stuff
日本人のスタジオ・プロジェクトによるディスコ・サウンド。当時、大ヒットし社会現象にもなったビデオゲーム「スペース・インベーダー」の音をサンプリングしたナンバー。こういう安直な発想がたまりません。
Sansoo Dancing/Sam Clarte Orchestra
ピンク・レディや山口百恵などを手がけていた作曲家・都倉俊一によるプロジェクト。「イチ、Each Other」など、日本の数字を英語に当てはめて歌うという、よくわからんディスコ・ナンバー。
収録CD(Amazon):変DISCO/V.A.
ヘイ!キング・コング/サンディ・オニール
キングコングも当時大人気でしたね。そんなキングコング人気に便上したサウンドも結構ありますが、有名なのは伊集院光のラジオ「深夜の馬鹿力」で紹介されたサンディの「ヘイ!キングコング」でしょうか。結構中毒性あります。
ディスコ花笠音頭/Ebonee Webb
ディスコお富さんが発掘され話題になったEbonee Webbの全国の有名な音頭をディスコカバーした謎のアルバムより。片言の日本語が味わい深いです。前作「ディスコお富さん」がヒットしたため期待されていましたが不発。日本での活動が終了し、エボニー・ウェッブは帰国となりました。Mitchieこと三橋美智也も、寺内タケシのプロデュースで花笠音頭をディスコアレンジでカバーしています。
収録CD(Amazon):ディスコ花笠音頭/Ebonee Webb