「キャプテン・ジャック」というアーティストを記憶しているでしょうか?
かつて人気だったダンスミュージック・コンピレーション「ダンスマニア」のメイン・アーティストのひとりで、「E-Rotic」や「Me & My」などと一緒にシリーズを盛り上げました。
量産型ダンスミュージックであるユーロダンスの中でも、陸軍出身のラッパー「フランキー・ジー」のミリタリーなラップが話題を呼び、本国ドイツだけでなくヨーロッパのダンスチャートを席巻。
一応、日本にも入ってはきたのですが・・・実は、当初のキャプテン・ジャックは日本のクラブでは全く反応ありませんでした。
理由は、アニメ調のレコードだったことで、当時は「イロモノ」「キワモノ」アーティスト扱いだったんですね。
今と違って、当時はそんなオタク臭さのあるアーティストはクラブで一切受け入れられませんでした。
しかし、ダンスマニアに収録されたことから人気が出始め、軍服を着たミリタリーなアーティスト性を全面に押し出したプロモーションも功を奏して、シリーズのメイン・アーティストのひとりとなるのでした。
楽曲も多くリリースしており、ヒット曲もたくさんあります。
そんな、キャプテン・ジャックの名曲をご紹介しましょう。
キャプテン・ジャックとは
キャプテン・ジャックとは、ドイツで結成されたユーロダンス・アーティスト。
ボーカルは「ライザ・ダ・コスタ」で、最初期のリーダー(伝統的に “キャプテン” と呼ばれる)は実はフランキーではなく「シャーキー・ダーバン」というラッパーでした。
「Dam, Dam, Dam」と「Captain Jack」を収録後、シャーキーは脱退。
以降、フランキーがキャプテンを務めることになります。
「The Mission」と「Operation Dance」の2枚のアルバムをリリース後、ボーカルのライザは脱退。
以降、ボーカルはユーロダンスらしくコロコロ変わるので把握してません。
キャプテン・ジャックの活動停止
3枚目のアルバム「The Captain’s Revenge」から「Music Instructor」まで5枚のアルバムとベストを発売し、順調だったキャプテン・ジャック。
しかし、2005年にフランキーが脳出血のため永眠。
キャプテン・ジャックのプロジェクトも一時中断となってしまいます。
キャプテン・ジャックの復活
2008年に新たなプロジェクトとして、キャプテンにブルース・レイシー、ボーカルにジェイミー・リーを迎えて復活。
新キャプテン・ジャックの最初のシングル「Turkish Bazar」は、これまでのユーロダンス・スタイルと決別し、ヒップ・ホップのスタイルを取り入れたダンス・ポップでした。
しかし、あまり好評ではなく、次のシングル「Kalinka」から従来のユーロダンス・スタイルに戻ります。
2011年にリリースした「Saturday Night」以降、再び活動停止状態が続いていましたが、2019年に同じくドイツのユーロダンス・グループ「ファン・ファクトリー」をゲストに迎えて復活。
シングル「Change/Captain Jack feat.Fun Factory」をリリースしました。
2021年には「ココ・ジャンボ」で有名な元「ミスター・プレジデント」でラッパーを務めた「レイ・ジー」を迎えて、人気の集めている新ジャンル「ADM(アコースティック・ダンス・ミュージック)」を取り入れた「Summersun」をリリース。
まだまだ、キャプテン・ジャックの活動は続いているのでした。
キャプテン・ジャックの名曲10選
中の人は完全に入れ替わってますが、キャプテン・ジャックはまだまだ健在。
ということで、これまでのキャプテン・ジャックの名曲を10曲振り返ってみたいと思います。
ユーロダンスのアーティストらしくカバー曲も多いのですが、キャプテン・ジャックのカバー曲はウェブストーリーでまとめていますのでご参照ください。
1:Captain Jack
キャプテン・ジャックのファースト・シングルで、本国ドイツでは実に50万枚以上を売り上げる大ヒット。日本ではダンスマニアに収録されたことから人気に火が付いた。これまでにないミリタリーなキャラクターとサウンドが注目を集めた人気曲。日本独自でハッピー・ハードコア・リミックス「Captain Jack(Grandale Remix)」が製作された。オリジナル共々、音楽ゲーム「ダンス・ダンス・レボリューション」にも収録されている。2:Drill Instructor
セカンドシングルで、ドイツでは25万枚を売り上げゴールド・ディスクを獲得。キャプテン・ジャックの人気を決定づけた名曲である。日本では「ダンスマニア2」に収録。ファースト・シングルの「Captain Jack」と連続でミックスされて気持ちいい。
3:Little Boy
ファースト・アルバムからの4枚目のシングル・カット。どちらかというと通好みなナンバーであり、コアなファンに人気のあったナンバー。セクシーでダンサブルなPVと意味深なジャケットが味わい深い。
4:Together And Forever
セカンド・アルバムからのファースト・カットで、日本でも非常に人気の高い1曲。それもそのはず、誰もが知っている「アノ」曲をアレンジしているのだから、数あるキャプテン・ジャックの曲の中でもズバ抜けてインパクトが強い。ちなみにユーロビート・リミックス「Together And Forever(KCP Euro Mix) 」も存在する。
5:Hiho
確か日本発注の曲と記憶しているが、前曲に続きアカンやつに手を出している。やはり、こういう危険なネタ曲は日本でウケやすいようだ。こちらも根強い人気があり、ユーロビート「Hiho(Red Monster Hyper Mix)」やマイアミ・ベース「Hiho(Hyper Rhythm Mix) 」にリミックスされた。
6:Dream a Dream
サード・アルバム「The Captain’s Revenge」からのカット。本国ドイツではチャート圏外であるが、サウンドがテクノ色が強いため日本ではなかなか好評であった。テクパラ(テクノで踊るパラパラ)も付いており、クラブでもよく踊られていた曲である。「Tomorrow」などのヒットで知られる「DuMonde」によるトランス・バージョン「Dream A Dream(DuMonde Club Mix)」も存在する。
7:In The Navy ’99(XXL Disaster Mix)
日本独自の企画アルバム「The Race」よりサード・アルバム「The Captain’s Revenge」収録の「In The Navy ’99」のリミックス。オリジナルは当然「ヴィレッジ・ピープル」であり、キャプテン・ジャックらしいユーロダンス・カバーとなる。アルバム収録曲よりもメロディアスで、ダンスマニアやDDRでもこちらのバージョンが収録されている。
8:Iko Iko
原曲は「Jock-A-Mo/James “Sugar Boy” Crawford, Jr.」で「ディキシー・カップス」が「Iko Iko」としてカバーしたバージョンが世界的にヒットしており、この曲もこちらのカバーとなる。ミディアム・テンポのダンスポップであり、日本ではあまりヒットしなかったが、世界的にはキャプテン・ジャックの人気曲上位に入る。BPMの早い曲が好まれる日本ではハイスピード・バージョン「Iko Iko(Dance Mix)」がダンスマニアに収録された。
9:Give it Up
タイトルどおり伝説的ファンク・バンド「KC & the Sunshine Band」の名曲のカバー。1993年にデンマークのユーロダンス・グループ「Cut ‘N’ Move」のカバーが世界的ヒットとなっており、「ダンスマニア1」に収録されているのを記憶している方も多いだろう。キャプテン・ジャックのバージョンもやはりテンションがアガる。
10:My Generation
シングル「Hiho」のカップリングとして収録されたナンバー。「ダンス・ダンス・レボリューション 5th Mix」にも収録されている。実は最近発掘されてテクパラが付いた、現在進行系の1曲。テクノ好きな方は要注目の1曲。
まとめ
ということで、キャプテン・ジャックの名曲を10曲ご紹介しました。
どちらかというとクラブの現場視点な選曲だなと思いましたが、まだまだクラブでもキャプテン・ジャックの曲はプレイされ続けているのです。
気になる曲がありましたら、ぜひチェックしてみてください。