最近、マイケル・フォーチュナティが再び人気再燃してきています。
2018年にシェリル・リンとの来日も記憶に新しい彼ですが、同年には全曲往年のディスコヒット・ソングのカバーという「ザ・ベスト・オブ・ディスコ・カバーズ」をリリース。
PWL系懐かしいユーロビートや「恋のブンブンダラー」、そして「Give Me Up」のセルフカバーなど、ユーロビートの帝王と呼ぶにふさわしい内容となっています。
一部クラブではデッド・オア・アライブのカバーである「Turn Around And Count 2 Ten」のカバーがヒットしており、マイケル・フォーチュナティを知らない若者にも徐々に浸透中。
楽曲の方はユーロビートにトランス的なアレンジがされているのですが、それが現代のサウンド的に若者の感性にマッチしており、受け入れられているのでしょう。
そんな中、先日はマイケル・フォーチュナティのマニアックな1枚「Dreamin’/Kiss Me Love」をご紹介しましたが、今回は日本のみならず世界的にも注目されている「Baby Break It Up!」をご紹介します。
Baby Break It Up!/Michael Fortunati
1995年にavexと契約したマイケル・フォーチュナティですが、世界的に従来のハイエナジーの需要はなく、日本のみでイタリアで製作されているユーロビートが売れているという特殊な状況でした。
ヨーロッパやU.K.のチャートでは、ハイエナジーやイタロハウスから発展し、テクノやヒップホップなど様々なジャンルを吸収したミクスチャーダンスミュージック「ユーロダンス」が主流となっていました。
マイケル・フォーチュナティも時代に合わせてユーロダンスでこの「Baby Break It Up!」をリリースしますが、当時はやはりマイケルといえばユーロという根強い風潮もあって、この曲はかなり不評でした。
しかし、このところのマイケル人気再燃で再び注目されつつあり、とくに海外でもチェックされるようになってきています。
とくにDiscogsのマーケットプレイスでも4000円以上の価格で取引されています。
Amazonでも価格が高騰していて、現在(2019/9/9)では中古で2000円とシングルとしてはなかなかの値段となっています。
日本限定シングルで、Remixが多数収録されているというところも人気の要因でしょう。
Remixには老舗リミックスチーム「I.S.D.」やマハラジャのDJチーム「T.Y.M.」、当時はTM Revorutionの「独裁(Red Monster Mix)」がディスコで大ヒットしていた「M.S.T.」など、日本の重要なリミックスチームが集結しています。
オリジナルの「Hyper Club Mix」と各種リミックスを聴き比べてみると、それぞれ独自の味があって面白いです。
なお、マイケルのリミックスアルバム「>Remix It Up!」には安室奈美恵の「Try Me(B4 ZA BEAT Remix)」やCappella「U & Me(B4 ZA BEAT Remix)」でおなじみの「B4 ZA BEAT」のリミックスが収録されています。こちらも人気。
まとめ
うわさではこのシングルがかなり海外に流出しているようで、見つけるのも今では難しくなっています。
当時は今までのユーロビート路線じゃないということで批判も多かったですが、ようやく評価されてきたという感じがします。
この機会に80年代ではなく「90年代の」マイケル・フォーチュナティのサウンドをいま一度チェックしてみるというのもいいのではないでしょうか。