ぼくはダンス・ミュージックなら年代やジャンルを問わず何でも好きなんですが、特に 1980 年代のディスコの曲ってエネルギッシュで楽しい曲が多くて好きなんです。
イヴリン・トーマスの名曲「High Energy」から広く知れ渡るようになったジャンル「Hi-NRG」には強い影響を受けました。実際にこの曲を知ったのは、サンプリング・ネタで使用している「Lifting Me Higher/Gems For Jem」からなんですけど、4つ打ちキックドラムのエレクトロサウンドに哀愁感あるメロディとソウルフルなボーカルが衝撃的でしたね。
カイリー・ミノーグやデッド・オア・アライブなど PWL の Hi-NRG サウンドもよいものですが、あまりメジャーな曲は好きではないという捻くれた性格なので、イタリア産の量産型 Hi-NRG が好きでした。
パワフルなサウンドを適当な英語で、テンションと勢いだけで歌い上げるチープな楽曲・・・メジャー主義の評論家を自称する連中はメチャクチャこき下ろしていましたが、そもそも「楽しい」ってそういうノリのあるものじゃないでしょうか。
その実際にフロアで踊って騒いで楽しいという極地が「恋のブンブンダラー」だったと思います。曲名からして意味わかりませんからね! 楽しいに理性なんて不要なのです。
そんな、みんなが大好きな「ブンダラ」ですが、やはりディスコの歴史でも外せないのが MST によるリミックス・バージョンである「恋のブンブンダラー(Red Monster Mix)」でしょう。
現在はデジタル配信もされているので気軽に入手することができますが、当時はプロモオンリーだったのでなかなか入手はできませんでした。
いくつかこのリミックスが収録されているコンピレーションCDがあるのですが、今回はその中から「DANCE スーパーヒッツ vol.5」をご紹介します!
DANCE スーパーヒッツ vol.5 収録曲
- 01.Boys Don’t Cry (Club Mix Version)/Moulin Rouge
- 02.Why Baby Why/Radiorama
- 03.Boom Boom Dollar (Red Monster Mix)/King Kong & D’Jungle Girls
- 04.Beatles Medley (Single Version)/Stars On 45
- 05.Keep On/”D” Train
- 06.Show Me (The Nest Mix)/The Cover Girls
- 07.Living On Video/Trans-X
- 08.Relight My Fire/Mark Farina
- 09.Everything You Love (Dolce Vita Edit)/Chip Chip
- 10.Don’t Make Me Cry (Extended Version)/Malcolm J. Hill
- 11.Magical Dream/Ross
- 12.Broken Wings (Extended Version)/Boy
- 13.Casanova (Extended Virsion)/Dandy
- 14.Big Samurai/Robot Man
この中から、いくつかオススメな楽曲をピックアップしてみたいと思います!
Boys Don’t Cry/Moulin Rouge
「High Energy Boy」や「D.J. I Wanna Be Your Record」がフロアでも人気だったユーゴスラビアで結成されたデュオ「ムーラン・ルージュ」のヒットナンバー。Wink が 4 枚目のシングル曲としてカバーし、こちらも大ヒットしている。1990年代にかけて Hi-NRG はハウスやユーロダンス、テクノに押されて急速に衰退し、イタリア北部のごく一部でしか生産されないようになったことから「ユーロビート」という名称に変わっていくが、当時は世界中で名曲が生まれていたのである。
Boom Boom Dollar (Red Monster Mix)/King Kong & D’Jungle Girls
言うまでもなく 1980 年代のディスコ・サウンドで最重要曲のひとつ。このリミックスには当時の主要ディスコのDJによる掛け声がサンプリングされ、盛り上がりには欠かせないナンバーだった。アーケードゲーム「ダンス・ダンス・レヴォリューション」にも収録されたことから、再び脚光を浴びたことも記憶に残る。2000 年にリリースされたユーロビート・バージョン「Boom Boom Dollar (Red Monster 2000 Mix)」も存在し、第三次ユーロビートブームにもプレイされた時代を超えて踊られ続ける名曲。
Beatles Medley (Single Version)/Stars On 45
「Beatles Medley」という曲名は便宜上のタイトルであり、日本では「ショッキング・ビートルズ 45」というタイトルが付けられたビートルズのカバーメドレー。ショッキング・ブルーの「Venus」、アーチーズの「Sugar,Sugar」に続き、ビートルズの楽曲をダンサブルに繋いでいくという狂気のナンバー。
Show Me (The Nest Mix)/The Cover Girls
1986 年にデビュー曲であるこのナンバーが爆発的にヒットしたカバー・ガール。ディスコ・カバーとして森川由加里がカバーしたバージョンは、テレビドラマ「男女 7 人秋物語」の主題歌として起用され、こちらも大ヒット。今回収録されているのは、いわゆるロングバージョンである「The Nest Mix」。
Living On Video/Trans-X
オリジナルのリリースは 1983 年でヨーロッパ中心にヒットしたものの、他の国では小規模な話題となるだけであった。大きくチャート・アクションを起こしたのは、1985 年に再リリースされた「’85 Big Mix」である。イギリス・シングルチャートで 9 位を記録。ビルボードでも 61 位まで上昇し、一躍「Trans-X」の名前を世界中に知らしめることとなった。他のリミックスも多く出回っており、2021 年にはドイツのDJ「Claptone」による「Living On Video (Claptone Remix)」がリリースされている。
Relight My Fire/Mark Farina
ご存知、イタロ・ダンスの巨匠であるマウロ・ファリーナのアーティスト名義でのリリースで、ディスコ・クラシックの定番「Relight My Fire/Dan Hartman」のカバー。ネオ・ディスコやカバー曲など、時代を超えて語り継がれる名曲を Hi-NRG スタイルでカバーするところが彼らしい。 1990 年以降、ファリーナも参加するプロデューサー・チーム「Factory Team」によってカバーソングが大量に作られるようになっていく。
まとめ
ということで、1980 年代のディスコ・ヒットを収録したコンピレーションCD「DANCE スーパーヒッツ vol.5」をご紹介しました!
1990 年代の曲も入っているんですが、細かいことは気にしないのがディスコ・ソウルなのです。
「ショッキング・ビートルズ 45」とかあまりお目にかかれないナンバーも収録されていて、なかなか興味深いCDです。
定番曲に混ざってレアな曲も多いので、機会があればぜひチェックしてみてください。
個人的には「Big Samurai/Robot Man」が好きです。1990 年代に A Beat-C レーベルにおいて「Edo」名義で「Stranger」や「Too Young To Fall In Love」をヒットさせた「Gino Caria」がボーカルの渋い 1 曲。