J-POPコンピレーション「J-LOVE」の1曲目に収録されているレベッカのフレンズですが、J-POP系のクラブイベントでDJをしたりしてきた経験上、本当に幅広い世代に受け入れられる曲として外せない1曲でした。
実際は「『レベッカ』は知らないけど『フレンズ』は知ってるし、いい曲!」という反応なのですが、これは楽曲主義の現場であるクラブという場だからこそでしょう。フレンズがプレイされて、20代前半の若い世代が飛び上がる様子は、見ていて気持ちいいです。
まさにJ-POPアンセムとして欠かせない1曲ではないでしょうか。
さて、クラシックが様々な演奏家によって受け継がれているように、名曲というものはカバーされることで、受け継がれていきます。
フレンズも様々なアーティスト・プロジェクトによってカバーされています。今回は、この名曲のカバーをまとめてみたいと思います。
オリジナルのフレンズを歌ったレベッカ
初代リーダーの「木暮武彦」を中心に結成されたロックバンド。前身となるバンドは男性だけのバンドでしたが、後に女性ボーカルの「NOKKO」が加入し、私達がよく知る「レベッカ」の編成になりました。
当初はロックにこだわるあまり、CDセールスやライブハウスでの観客動員は低迷。音楽性の違いからリーダーの木暮武彦とドラムスの小沼達也が脱退した後、サウンドもシンセポップ路線へと移行し、徐々に人気が出始めました。
人気を決定づけたのが4枚目のシングルとなる「フレンズ」です。TVドラマ「ハーフポテトな俺たち」のエンディング曲に起用され、30万枚を売り上げました。
1991年に解散しましたが、何度かの正結成を経て2017年に活動再開しています。
フレンズのカバー
それでは、レベッカのフレンズをカバーしたアーティストを見ていきたいと思います。
Jungle Smileのカバー
コンピレーション・アルバム「トリビュート・トゥ・レベッカ~DREAM DISCOVERY」に収録。カバー楽曲は、カバーするアーティストの特色があるが、こちらはジャングル(ドラムンベース)調にアレンジされたクラブ向けのカバー。実際にクラブで「踊る」人には受けそうだが、リスニングオンリーの人・原曲主義の人には評価が厳しい感じがします。
収録CD(Amazon):Tribute To Rebecca – Dream Discovery/V.A.
大黒摩季のカバー
大黒摩季によるカバー曲オンリーのアルバム「COPY BAND GENERATION vol.1」に収録。原曲の雰囲気を大切にしつつ、大黒摩季らしさもしっかりと残る正統派カバー。翼の折れたエンジェルやHEROなど、CD自体の選曲もセンスがいいと感じます。問題はCDが悪名高きCCCD(コピーコントロールCD)で音質が悪いという点。CDで購入するよりはダウンロード版で購入することをおすすめします。
デジタル配信(Amazon):COPY BAND GENERATION VOL.1/大黒摩季
美吉田月のカバー
美吉田月は主にカバーアルバムを発表しているシンガーソングライター。誰でも聞き覚えのあるJ-POPの名曲を中心に楽曲のカバーをおこなっています。J-POP以外にも、スタジオジブリのアニメ主題歌のカバーもあり、親しみやすい楽曲が多いのが特徴。フレンズはカバーアルバム「pure flavor #2~key of love~」に収録されています。
収録CD(Amazon):pure flavor #2~key of love~ /美吉田月
加藤いづみのカバー
アニメ・アニソンファンの間ではロードス島戦記の主題歌「風のファンタジア」を「Sherry」名義で歌っていたことが記憶に残る加藤いづみ。フジテレビのドラマ「悪魔のKISS」の挿入歌として使われた「好きになって、よかった」も注目を集めました。カバーアルバム「favorite」に収録。アコースティックギター中心のサウンドで、あえて全曲ドラムレスの収録という珍しいカバーCDです。
収録CD(Amazon):favorite/加藤いづみ
デーモン小暮閣下のカバー
相撲評論家としても知名度が高く、もはや音楽アーティストとしての地位を危ぶまれていると噂のデーモン小暮閣下。「GIRLS’ ROCK」は女性アーティストの楽曲をカバーするというコンセプトのCDで、ベスト版を含めて4枚のアルバムがあります。この1枚「Tiara」に収録された「フレンズ」のカバーは、デーモン小暮閣下の味が滲んだシアトリカルなロックサウンドとして評価が高いです。
デジタル配信(Amazon):GIRLS’ ROCK ~Tiara~ /デーモン小暮閣下
茉奈 佳奈のカバー
「茉奈 佳奈」は「三倉茉奈」と「三倉佳奈」の双子の女優「マナカナ」のアーティスト名義です。国民的アニメ「ちびまる子ちゃん」の「おどるポンポコリン」をカバーしたこともあります。カバーアルバム「ふたりうた」シリーズは3枚リリースされており、ブログで歌う楽曲が公募された「ふたりうた2」に「フレンズ」のカバーが収録されました。
収録CD(Amazon):ふたりうた2/茉奈 佳奈
稲垣潤一のカバー
実はディスコの帝王「マイケル・フォーチュナティ」もカバーしているクリスマスソングの定番「クリスマスキャロルの頃には」でおなじみの稲垣潤一。全曲デュエットのカバーアルバム「男と女」第二弾に収録されています。デュエットによるカバーというのも珍しく、フレンズのデュエットは遊佐未森が担当しています。
収録CD(Amazon):男と女2/稲垣潤一
MAXのカバー
MAXといえば、やはりユーロ! ということで、デビュー当時のユーロビート路線を復活させたカバーアルバム「BE MAX」に収録。フレンズはもちろん、J-POPの名曲からアニソン、往年の名曲までがダンスアレンジでカバーされています。現場では非常に使いやすかったのでお世話になりました。
収録CD(Amazon):BE MAX/MAX
中川翔子のカバー
アイドルやアーティストなどマルチタレントとして活躍するアキバ系タレントの先駆けである「しょこたん」こと「中川翔子」「しょこたん☆かばー」シリーズはアニソンが中心でしたが、
ガールズロックをテーマにした選曲の「しょこたん☆かばー4」の2枚目である「しょこロック編(1枚目はアイドルカバーの『しょこ☆ドル篇』)」に「フレンズ」のカバーが収録されています。
収録CD(Amazon):しょこたん☆かばー4-2~しょこロック編~ /中川翔子
中野愛子のカバー
「中野愛子」はシンガーソングライターで、作詞や作曲も手掛け、いくつか楽曲提供もしています。アニメ「ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド」のオープニングテーマ曲としてレベッカの「フレンズ」をカバーしています。セカンドシングルはアニメ「緋弾のアリア」のエンディングテーマである「カメリアの瞳」ですが、それ以降目立った活動はしていません。
収録CD(Amazon):フレンズ(シングル)/中野愛子
NOKKOのセルフカバー
レベッカのボーカルを務める「NOKKO」によるソロ名義「のっこ」でのカバーバージョン。このシングルに収録された「フレンズ (Creamy)」はテレビドラマ「リップスティック」の挿入歌として起用されています。後に「NOKKO」のアルバム「Viaje」に収録されました。
収録CD(Amazon):Viaje/NOKKO
そして、2017年にリリースされた「NOKKO」によるレベッカのセルフカバーアルバム「NOKKO sings REBECCA tunes 2015」にも「フレンズ」が収録されています。この楽曲には女性2人組エレクトロラップユニット「Charisma.com」がラッパーとして参加しており、サウンドも現在のダンスミュージックのメインストリームである「EDM」へとチェンジ。このナンバーは現在進行系の音楽の形であり、過去の楽曲を懐かしむものではありません。「フレンズを汚した!」という今の音楽を知ろうとしない頭の硬い方は、おとなしく昔のアルバムを懐かしみましょう。
収録CD(Amazon):NOKKO sings REBECCA tunes 2015/NOKKO
REBECCA IV~Maybe Tomorrow~ / REBECCA
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