デイヴ・ロジャースといえば、80年代から「アレフ」などのユニットで活躍し、90年代に入ってからはユーロビートレーベル「A-Beat C」を設立。自身が在籍した「TIME」レーベルと双璧をなすレーベルへと成長し、次々にヒット曲をプロデュースしてきました。
プロデュース業以外にも、自身が歌うユーロビートも人気を獲得。マイケル・ジャクソンのギターも務めたジェニファー・バッテンを迎えた「Sun City」を始め、V6のセルフカバー「Music For The People」「Take Me Higher」など多数のヒットを持ちます。
しかし、人気・知名度とも一番高いのは、やはりアニメ「頭文字D」で使われた「Space Boy」「Deja Vu」ではないでしょうか。
もとより、走り屋の間では元祖走り屋ユーロ「Wings Of Fire/Jee Bee(J-EURO版はRie Taguchi)」を始めユーロビートは一定の人気がありました。実際、Wings Of Fireは頭文字Dの劇中歌として採用されています。
原作の漫画も人気でしたが、アニメもヒットしたことにより、ユーロビートの知名度が上昇。当時、第三次ユーロビートブームもあったことにより、さらに人気は加速します。
こうした背景もあって、デイヴの楽曲で頭文字Dを思い浮かべる人は多いのではないでしょうか。
近年では新たに「SUN FIRE RECORDS」を設立し、自身のYouTubeチャンネルも開設。「Space Rockets」などの新曲、「Running In The 90’s」などのカバー楽曲を公開しています。
そして、かの名曲Deja Vuも2019年版でセルフカバーしました。楽曲配信も始まってますのでチェックしたいところ。
avexのYouTube公式チャンネルでも旧「Deja Vu」のPVが公開されるなど、徐々にデイヴ・ロジャース熱が過熱してきています。
今回は、そんな彼がリリースしたオリジナルアルバム「Take Me Higher」をご紹介します。
デイヴのアルバム「Take Me Higher」
1997年にリリースされたデイヴ・ロジャース初のアルバムです。
これまでTMNのカバーソングである「TMN Song Meets Disco Style」「Get Wild Meets Techno Style」はリリースしていましたが、意外にもオリジナルのアルバムをリリースするまで結構時間がかかっています。
当時はまだ「Deja Vu」などの頭文字D系ユーロはありません。V6に提供した楽曲が話題になったため、これらのセルフカバーが中心となっています。
収録楽曲
「Take Me Higher」はV6の4枚目のシングル楽曲のセルフカバー。ウルトラマンティガのオープニングとしておなじみで、ディスコ・クラブはもちろんのこと、現在ではアニソンなどのオタク系クラブイベントでも人気。
「Music For The People」もセルフカバーで、V6のファーストシングルとして大ヒットしました。最近リリースされたデイヴの最新アルバムでは「Music for the People(2020 Version)/Dave Rodgers feat. Domino & Kaioh」ということで、元嫁さんのドミノと息子のカイオーとのコラボレーションが実現。
非常に注目度の高いナンバーとなっています。
「Smoke On The Water」は言わずと知れたディープ・パープルの超有名曲。あのロックをユーロビートスタイルでカバーしています。パラパラもついていて、通好みな1曲。「Woman From Tokyo」もやはりディープ・パープルのカバー。
「Soul Gasoline」はかつて活動していた「The Big Brother」のヒット曲のカバー。そして「I’ll Be Your Hero」「Sun City」「Milan Milan Milan」とオリジナル曲が続きます。
ジェニファー・バッテンをスペシャルゲストに迎えた「Sun City」はロックファンも注目したりと、かなり衝撃的なナンバーでした。
イタリアということで「Milan Milan Milan」はもちろんサッカー関連の曲ですね。後に「Ale Japan」などサッカー関連の曲も多くなっていきます。
V6のセカンドシングル「Maid In japan」もセルフカバー。そしてメガ・エナジー・マンの大ヒット曲「Seventies」のカバーは強烈。「The Best Of ’90s Super Eurobeat ~DJ Special Hits Collection~」ではメガ・エナジー・マンとのデュエット風のRemixがされていて印象的でした。
オリジナルのヒットナンバー「Boom Boom Japan」、そしてスローな「Let It Be」で締めくくりとなります。
「Kingdom Of Rock」や「100」など、まだまだデイヴのヒットはありますが、それ以前にリリースされたアルバムなので仕方がないところ。これらの曲は配信で入手することができます。
まとめ
まだ頭文字Dとのタイアップはしていない頃のアルバムですが、ディープ・パープルのカバーなどもあってユーロビートとロックの融合したアツい曲が多いです。
「Spece Boy」など頭文字Dでユーロビートを知ったという人でも、こういったロックスタイルのユーロは聞きやすいと思います。ドライブなどに行くときに1枚あると気持ちよく走れるのではないでしょうか。
「Take Me Higher」は現在でも人気の曲ですが、デイヴのユーロビート・バージョンも激アツなのでぜひ聞いてみてください。