アース・ウィンド・アンド・ファイアーは70年代より多くの人気を博し、ディスコ全盛期の一役を担ったソウル・ファンクバンド。アメリカはもとより日本での人気も高く、何度も来日ライブを行っています。2016年にも名古屋国際会議場と大阪フェスティバルホールでライブが行われました。
2016年、第58回グラミー賞の特別功労賞生涯業績賞にもアース・ウィンド・アンド・ファイアーが選ばれていますが、同年2月3日にモーリス・ホワイトがロサンゼルスで逝去されました。
初の全米1位を獲得した「Shining Star」や「Sing a Song」「Got to Get You into My Life」「After the Love Has Gone」といった全米チャートTOP10シングルをはじめ、ゴールド&プラチナ・アルバムも多数。「September」や「Boogie Wonderland」「Let’s Groove」はディスコでは欠かせない楽曲です。
カバーされた楽曲も多く、90年代中期よりブームになった「ディスコ・リコンストラクション(ネオ・ディスコ)」では定番ネタとして数々の楽曲にサンプリングされ、ディスコを知らない世代にも認知されています。また、そのような楽曲はダンスマニアなど当時人気だったコンピレーションにも収録、音楽ゲームにも採用されたりしてダンスを踊らない人たちにも広く親しまれました。
EW&Fのヒット曲・名曲
リアルタイムでEW&Fを見聞きした・踊ったという人は多いでしょうし、そうでなくてもCMソングやカバー・サンプリングなどで彼らの曲をどこかで耳にしたという人も多いはず。
数々のヒット曲・名曲を残したEW&Fですが、そんな楽曲たちを振り返ってみたいと思います。
Shining Star
75年にリリースされ、ビルボードHTO100で1位、R&Bチャート1位と両部門でトップを記録した大ヒットシングル。EW&Fの数あるヒット曲の中でもダブルで首位を記録したのはこの曲だけです。チャカ・カーンなどもカバーしていました。モーリス・ホワイトもこの曲がアース・ウィンド・アンド・ファイアーのターニングポイントになった重要な曲だと言っています。
Sing a Song
1975年に発表されたシングルで、R&Bチャートで1位を記録。ビルボードHOT100では5位にまで上り詰めました。ファンキーなサウンドとシンプルでわかりやすいボーカルで、踊る楽しさが全開のこのナンバー。ゴスペル・シンガーグループの「Take6」やジャズ・ギタリストのリチャード・スミスもカバーし、映画「Austin Powers In Goldmember」でビヨンセが「Hey, Goldmember」でサンプリングしているのが印象深いです。ディスコ~♪
Getaway
1976年にリリースされ全米R&Bチャートで1位を獲得し、シングルチャートでは12位まで上り詰めました。日本においてはトヨタのSUV「ハリアー」のCMなどでおなじみの曲です。明るくファンキーでノリがよく、EW&Fの曲でこのナンバーを推す人も多いですね。
Serpentine Fire
アルバム「All ‘N All」のリード・シングルでR&Bチャートで1位を記録。日本では「太陽の戦士」という邦題が付けられていたのが印象深いです。2016年にベーシストのネイザン・イーストがEW&Fメンバーのフィリップ・ベイリー、ヴァーディン・ホワイト、ラルフ・ジョンソンをフィーチャーしてカバーしています。
After the Love Has Gone
全米チャート2位、モーリス・ホワイトとフィリップ・ベイリーのツインボーカルがしっかりと堪能できる名バラード。「Shining Star」に次ぐ2番めのヒットシングルとなりました。曲は若き日のデイヴィッド・フォスター、ジェイ・グレイドン、ビル・チャンプリンが提供しています。ディスコではチークタイムによく流れていました。
Boogie Wonderland
全米チャートでは6位、R&Bチャートで2位を記録したファンキーなディスコナンバー。コーラスにモーリスがプロデュースしていた「エモーションズ」が参加しています。イントロが流れただけで体が自然と反応するくらいノリのいい楽曲で、エモーションズのコーラスも相まって当時の楽曲としては非常に派手な印象を受けました。
Fantasy
全米チャートでは伸び悩みましたが、日本では非常に知名度が高いナンバーでしょう。様々なバライティー番組のBGM、ドラマの挿入歌として耳馴染みのあるEW&Fの楽曲として認知されています。2012年の40週年記念来日ライブのファン投票で行われた人気楽曲の2位にこの曲が選ばれています。
September
そして、日本におけるEW&Fの人気ナンバー・ワンは、はやり「September」でした。もっとも代表的なナンバーとして、ディスコ・フリーク以外にも洋楽ファン、一般の知名度にいたるまで幅広く知られている楽曲でしょう。この曲がフロアでプレイされると一斉にみんなステップを踏み出す様子はいつも圧巻だったなぁと思う足の弱い自分でした(よく攣った)。