マハラジャといえば一時代を築いた伝説的なディスコですが、最近でも「マハラジャ六本木」を始めとして各地で営業されています。ディスコブーム復活という感じでうれしいですね。
そんなマハラジャが監修していたシリーズもたくさんありました。マハラジャで人気だったユーロビートを収録した「ハイエナジー」シリーズ、テクノ・ハウスを収録した「ハウス・レヴォリューション」をはじめ、様々な企画モノもリリースされています。
その中で、ユーロダンスやポップなナンバーを中心に収録された「ダンスポップ・セレクション」があります。
なかなかレアな REMIX が収録されていたりと、コンピレーションの中でもかなり尖った一枚となっており、個人的にも気に入っています。
そんな「マハラジャナイト・プレゼンツ・ダンスポップ・セレクション」をご紹介したいと思います。
マハラジャナイト・プレゼンツ・ダンスポップ・セレクション
マハラジャとタイアップしたシリーズはノンストップミックスの本編と、ユーロビートを収録した「ハイエナジー・レヴォリューション」、テクノやハウスなど流行のダンスミュージックを収録した「ハウス・レヴォリューション」などがあります。
その他、企画ものや番外編などもあり、このコンピレーションはその番外編にあたるもので、ユーロダンスを中心にハウス・テクノ・ R&B などバライティーに富んだ選曲になっています。
それだけでなく、マハラジャの DJ 陣を中心としたリミックスチームによるレアな REMIX バージョンも収録されてます。
このコンピレーションにしか収録されてないという曲も多いので、ぜひチェックしてみてください。
収録曲
1:Tonight Is The Night/GTS feat.Melodie Sexton
「Throght The Fire」の大ヒットで一躍人気ハウスユニットとなったGTSの明るくポップなハンドバッグ・ナンバー。「I Still Believe」「Brand New World」等に引き続きボーカルは Melodie Sexton で、今回もソウルフルで力強いボーカルを披露してくれます。深夜の情報バライティ番組「トゥナイト2」のオープニング曲としても起用されました。
2:Gotta Let You Go/Dominica
元々は 1994 年にオランダでリリースされて大ヒットしたハウス・ナンバーですが、1995 年に U.K. でリリースされた際に新たなREMIXとして収録された「Hper Go Go Remix」が注目を浴び、日本ではこちらのバージョンが人気でした。1995 ~ 6 年に「ハッピーハンドバッグ」が話題となりましたが、この曲もハンドバッグサウンドの代表的な曲となってます。
3:September(B4 ZA BEAT Remix)/Clock
「Axel F」の大ヒット後「Everybody」「In The House」「Everybody Jump Around」などのユーロダンス・ヒットを連発し、ディスコに欠かせないアーティストとなった Clock。このナンバーはセカンドアルバムから日本独自のカットで、曲名通りアース・ウィンド & ファイアの「September」のカバー。原曲よりもハイパーな B4 ZA BEAT のアレンジで、踊ると足が攣りそうになります・・・。ちなみに、Red Monster による Remix も存在します。
4:Touch/France Joli
カナダ出身のシンガーで、実は 1979 年から活動している実力派のベテラン・シンガー。1988 年リリースの「Gonna Get Over You」以来、目立った活動はしていませんでしたが、久しぶりにリリースされたこの「Touch」はラジオのみならずディスコでも話題になりました。
5:Is This Love/Golden Age
A-Beat C や Time と並びユーロビートの 3 大レーベルとなった Delta。ユーロのみならず、ハイパーテクノやユーロダンスも精力的にリリースし、ディスコ・フリークの支持を得ています。そんな Delta レーベルから「Never Fall In Love/Dany L.」路線の哀愁ユーロダンスとして登場した本作は、その筋のマニアに人気でした。ちなみに、ボーカルは名作の影にこの人あり・・・クララ・モローニです。
6:Inferno/Souvlaki
ダンスクラシックとして外すことのできない「Relight My Fire/Dan Hartman」をサンプリングし、世界中で大ヒットしたナンバー。この曲以降、同じ路線のアーティストが増えネオ・ディスコやヒップ・バッグと呼ばれるムーヴメントへ発展します。「Find The Groove/Aquarius」「Kick Up The Volume/Rob Tissera」などパクリも多し。
7:Mueve La Cadera/Reel 2 Real feat.Proyecto Uno
「I Like To Move It」が全世界で大ヒットした Reel 2 Real。現在でも人気オンラインゲーム「フォートナイト」のエモートに使われるなど、影響は計り知れません。これまでのラガ・ハウス路線からラテン系トライバルサウンドに切り替えてのリリースとなったこのナンバーは、当時ラテンブーム真っただ中ということもあってやはり人気になりました。特に「La Campana」「Sube」などのラテン系ハウスをヒットさせた DJ Dero のハード・トライバル・バージョンはマスト。
8:True/FreeBee
ABBA や Ace Of Bace といった世界的ヒットアーティストを多数輩出しているダンスミュージックの宝庫・スウェーデンから登場した 6 人組ダンスグループ。こちらは、ファースト・アルバムからのタイトルナンバー。それぞれがボーカル・楽器のセンスに優れ、その実力はヨーロッパでプラチナディスクを獲得するほど。
9:Runaway/Nuyorican Soul feat.India
Masters At Work でハウス・ガラージの製作や Remix をしてきた “Little” Louie Vega と Kenny “Dope” Gonzalez による新たなプロジェクト。ラテン・サルサで有名なインディアを起用した本作は、ディスコ・クラブに大きな話題を提供したある意味問題作。リミックス・チーム「I.S.D.」の DJ Charlie も「Velfarre vol.10」で「悪い意味でクールダウンする」と苦労を語っていました。
10:Say yeah!/Elisha La’Verne
1994 年にマキシ・プリーストが主催するレーベル「Dug-Out Productions」から「I Like What You Do」でデビューした U.K. ソウル・R&B のディーヴァ。「I May Be Single」でメジャーデビューし、日本でも一躍人気になりました。カップリングの「Don’t Wanna Fall In Love」もロングヒットしています。
11:Talk To Me/Switch
謎の多い 3 人組ユニットとして、突如出現したドイツのユーロダンス・グループ。その正体は「Sweet Dreams」や「Be My Lover」といった大ヒットナンバーを放ったスーパーユニット「La Bouch」の覆面ユニットです。
12:Electro Violence/Independence Days
大ヒットした映画のタイトルをそのままパクったアレなアーティスト名ですが、DELTA 発のハイパーテクノということで話題になったナンバー。カップリングの「Ave Ave/The Prophet」の方が爆発力ありましたが、こちらの方も根強い人気があり、リリースからミッション時代・俄パラ・キャンサミなどを経てロングヒットしていました。
13:Santa Maria(Y & Co.Remix)/Tatjana
伝説的なプロデューサーチーム PWL に所属していたストック&エイトケンのプロデュースにより日本中で大ヒットしたご存じサンタマリア。もちろん、現場では横田商会による「Y & Co.Remix」がプレイされていました。同じく横田商会の DJ Remo-con 氏によるラテンバージョン「Y & Co.Latin Taste」もあるのはご存じでしょうか?
14:You Are The One/Galecia
イスラエルから登場したユーロダンスで、なぜかヒットしたという意外性のあるナンバー。オリジナルはハウス・スタイルですが、イタリアの巨匠「マウロ・ファリーナ」のプロジェクト「Factory Team」による 1980 年代の香りも漂う、どこか懐かしい Remix が日本人の感覚にマッチしてヒットに繋がりました。
15:Turn It Up And Down (B4 ZA BEAT & T.Y.M.P-Team Remix)/Cappella
メンバーチェンジを経て「Tell Me The Way」「I Need Your Love」と相変わらずヒットを量産するユーロダンス・デュオのカペラ。メンバーチェンジから 3 枚目のシングルとなる本作も大ヒットし、このコンピに収録されているのは、さらに攻撃的なハイパーテクノとなった日本限定 REMIX。
16:You Just Want Sex (Y & Co.Remix)/Melanie Bender
デビューシングル「Burning Up」は注目されなかったものの、セカンドシングルである本作は過激なタイトルで人気急上昇。オリジナルは典型的なユーロダンスですが、このコンピに収録されているのは横田商会によるハイパーテクノバージョン。テクパラもあり、ユーロ/テクノイベントでもよくプレイされた曲でした。
まとめ
ユーロダンス・ハッピーハンドバッグ・ネオディスコ・ラテン・テクノ・・・ 1997 年は様々なジャンルのサウンドが入り乱れる群雄割拠のような時代でした。そんな時代のカオスな様相が選曲に反映されている気がします。
他では聞くことのできないレアなバージョンも多く、どの曲もハイパーで理屈抜きで楽しめる一枚でしょう。
ユーロダンス、ハッピー・ハンドバッグ、ダンスポップ、ハウス、R&B、ラテン、テクノ・・・ディスコらしくジャンルも様々なものが収録されていますので、1枚あればエンドレスリピートも余裕。
気になる曲がありましたら、ぜひチェックしてみてください。