かつて有線放送で放送されていたディスコ番組「USEN440 presents HYPER DISCO MIX」。ジュリアナ東京やマハラジャなど、次々とディスコがクローズしていく冬の時代に、このディスコ専門番組がスタートしました。
DJ は元横浜マハラジャの Y & Co. こと横田商会が担当しており、「こんな時代だからこそ、あえてディスコにこだわった、いい意味でのミーハーな番組を作っていきたい」というコンセプトを元にミーハーな選曲で人気でした。現在は「ハイパーディスコミックス」として放送中。
この番組を再現した CD が「USEN440 presents HYPER DISCO MIX」で、ミーハー度 200% の直球ディスコサウンドとなっています。ディスコとはいえ、当時(1999年!)のディスコの再現なので、その頃ディスコでは第 3 次ユーロビートブーム真っ盛り。CD もユーロビート中心にテクノ・トランス・ユーロダンスといった選曲になってます。
久しぶりにこの CD を聞いていたら「USA/JOE YELLOW」が収録されているのを思い出しました。DA PUMP がカバーしたあのダサかっこいいヤツですね!
当時のディスコでは人気だったのですが、レーベルが「A-Beat C」や「TIME Records」ではなくて「Eurobeat Records」というマイナーなとこだったこともあって、この「USA」はあまりコンピレーションには収録されず、まさに現場ヒットということなのですが・・・最近では Amazon で楽曲配信されたりしているので、気軽に入手できるようになりました。
「SUPER EUROBEAT presents CLASSIC HITS 2019/V.A.」に「USA/JOE YELLOW」が収録されています。
ということで、USA がノンストップミックスの形で収録されている、この CD「USEN440 presents HYPER DISCO MIX」を紹介してみたいと思います。
ミーハー度高し!USEN440 presents HYPER DISCO MIX
横田商会らしい番組のジングルや各種に散りばめられたサンプリング、選曲、MIX・・・改めて聞いてみると、どれもすばらしいとため息が出ます。知ってる曲ばっかりなので、自然と体が動いちゃいますね。
オールジャンル、洋楽・邦楽問わずヒット曲のみ収録の完全ミーハー仕様で、これぞディスコという CD となっています。番組のコンセプトが「いいモノはいい!」ということなのですが、本当にいい曲ばっかりです。
ディスコ以外の場所でも聞き覚えのあるという曲も多く、すごく聞きやすい CD です。落ち込んでるときとか、気分を上げたいというときに是非聞いてみましょう。
HYPER DISCO MIX収録曲
1:SEVENTIES/MEGA NRG MAN
大ヒットした Mega NRG Man の代表的なナンバーから始まる「HYPER DISCO MIX」。Mega NRG Man のパワフルなボーカルが炸裂するこれぞユーロビートという 1 曲です。MAXがカバーしたバージョンも大ヒットしましたが、King & Queen やデイヴ・ロジャースもこの曲をカバーしているのはご存知でしょうか?
2:LOVE IS DANGER/LINDA ROSS
TIMEレコードより 1993 年にリリースされた懐かしいナンバー。ポップでどこか懐かしさのある、未だ根強い人気を誇っている通好みな曲です。SEB163 には「LOVE IS DANGER 2005」が収録されていますが、かなり大掛かりなアレンジが加えられており好き嫌いが分かれそう。
3:MEGATON MAN/MEGA NRG MAN
1 曲目に続き Mega NRG Man のナンバーで、この曲がデビュー曲です。非常にコミカルな曲で、長らく定番曲となっていました。振り付けもおもしろく、この曲がプレイされるとフロアに「メガトンマーン!」の叫び声(?)が響き渡りました。
4:CAN’T STOP THE MUSIC/EUROTEAM feat.ANNERY GORDON
ダンス・クラシックのユーロビートカバー企画「’70s Dance Meets ’90s Beat」から生まれた名曲。振り付けの最後の部分が面白いパラパラが印象的でした。オリジナルはビレッジ・ピープルで PV のセクシーな腰つきのダンスは必見。
5:U.S.A./JOE YELLOW
DA PUMP のカバーが最近話題となっている USA。アメリカの海軍も踊ったことでも話題になりました。こっちがオリジナルバージョン。サビの空耳で「そば~」と聞こえるところで蕎麦を食べる振り付けがおもしろかったです。
6:DARK IN THE NIGHT/MAIO & CO
TIME レーベルからの大ヒットナンバー。数あるユーロビートのヒット曲の中でも外すことのできない名曲でしょう。アレンジバージョンとして「DARK IN THE NIGHT 2004」が SEB vol.152 に収録されています。
7:KING AND QUEEN/KING & QUEEN
青山にあった伝説的ディスコ「King And Queen」のテーマ曲的なナンバー。ユーロビート・クラシックとして、こちらも外すことのできない定番曲でしょう。dream もセカンドアルバムの収録曲としてカバーしています。
8:FANTASY/VIRGINELLE
A Beat-C レーベルの看板アーティストであるヴァージネリーの特大ヒット曲。涙を誘う哀愁ユーロで踊ってよし、聞いてよし、歌ってよし(?)。はい、実は J-EURO カバーも存在します。
9:HOLY NIGHT/MICHELL
曲名のとおり、クリスマスに聞きたい哀愁ユーロの隠れた名曲。やはり、前曲「Fantasy」とセットで聞いてしんみりしたいですね、無限リピートしたくなる優しい哀愁サウンドで、実は日本制作のナンバー。
10:survival dAnce/trf
もはや説明不要。小室哲哉がプロデュースするダンスユニット「trf(元TRF)」が放った大ヒット曲。ドラマの主題歌にも使われており、フロアのみならずポップチャートでも人気でした。テクパラも付いており、長らくフロアでも踊られ続けた名曲です。
11:BABY DON’T CH’A LEAVE ME THIS WAY/ROYAL T
「Anasthasia/T99」「NIGHT IN MOTION/CUBIC 22」等と並ぶテクノのレジェンド「JAMES BROWN IS DEAD/L.A.Style」ネタをぶっこんだ問題作。個人的には「Access/DJ Misjah & DJ Tim」をネタにした「Illusive Mix」が狂っていて好きです。
12:NIGHT IN MOTION (RAP REMIX)/CUBIC 22
「JAMES BROWN IS DEAD/L.A.Style」や「Anasthasia/T99」と並んでジュリアナ・テクノとして外すことのできない発狂テクノ。こちらは「RAP REMIX」が収録されています。2000 年にはリミックスチームの「P.K.G.」による「K-Groove Remix」がリリースされ話題になりました。
13:BELIEVE/TECHNO CITY
94 年にリリースされ、2000 年代前半のミッション時代まで、時代を超えて人気のハイパー・テクノのヒットナンバー。突き抜けるようなサビのボーカルが気持ちいい、聞いてよし、踊ってよしの名曲。
14:THE MUSIC IS MOVIN’/FAGETTA
こちらもジュリテクの名曲。やはり、現在でもテクノイベントでマストな1枚となっています。トランスがブームの頃に DJ Ken-Bow を中心としたグループ「Delaction」によるトランス・リメイクがリリースされ、テクノを知らない層にも踊られました。
15:TURN IT UP AND DOWN/CAPPELLA
メンバーチェンジを行い、新生 CAPPELLA として「Tell Me The Way」「I Need Your Love」に続きリリースされた第 3 弾シングル。「B4 ZA BEAT & T.Y.M.P-Team」によるよりハイパーテクノな日本限定リミックスも存在します。
16:SANTA MARIA/TATJANA
元 PWL のプロデューサー「ストック&エイトケン」プロデュースによる大ヒット・ユーロダンス。やはりフロアでは「Y & Co.REMIX」が外せません。一発屋のイメージが強いですが、実は 1980 年代から活動しているベテランアーティストだったりします。
17:I WILL FLY/CAT
ユーロビートのみならずハイパーテクノでもヒットを連発するデルタレーベルのプロデューサー陣が制作したポップなユーロダンス。振り付けもあり、名古屋中心に人気だった 1 曲です。ユーロビートに Remix されたバージョンも存在し「ウルトラ・パラパラ・ダンス」に収録されています。
18:BOOM BOOM BOOM BOOM/VENGABOYS
元々は香港や台湾などアジア地域で人気の高かった VENGABOYS。日本戦略ナンバー「WE LIKE TO PARTY!」で話題となり、それに続くシングルでこちらもヒットしました。ダンスマニアの元プロデューサーが立ち上げた「ウルトラダンス」のメインアーティストとして欠かせないグループでした。
19:OUT OF THE BLUE/SYSTEM F.
この曲があったからこそ、現在のトランスがあると言えるほどの大ヒットナンバー。リリースされた当時はワープハウスと言われていました。後に日本で広がる「サイバートランス」ムーブメントはここから始まりました。
20:5,6,7,8/STEPS
元 PWL のエンジニアであるピート・ハモンドのプロデュースで U.K. やヨーロッパで大ヒットし、その勢いは日本にも飛び火。独特のステップはクラバーだけでなくバライティー番組「めちゃイケ」でも人気のコンテンツとなりました。
21:FLAME ON THE FIRE/MEGA NRG MAN
終盤の盛り上がりに向けて、ここから再びユーロビートへ。この CD で 3 回目の登場となる Mega NRG Man からフロアでも大人気だった鉄板ヒットナンバー。なぜか靴を脱いでフロアにスパーンと叩きつけるのが定番になっています。
22:MY SWEET BANANA/GO GO GIRLS
なんともアレな曲名ですが第三次ユーロビートブームの中でも大ヒットし、ギャル受けもよかった人気曲。おなじみの振り付けの他にも隠れた「裏パラ」があり、踊れることがステータスでもありました。
23:NIGHT OF FIRE/NIKO
そして、第三次ユーロビートブームの火付け役として問答無用のメガヒット曲。現場では New Generation によるリミックスが人気でした。ハイパーテクノにリミックスされたバージョンもあることをご存じでしょうか? 最近では女性向けコンテンツ「パラホス」や伝説的ギャル雑誌の WEB プロジェクト「eggオールスター」でもカバー。いまだに影響力があります。
24:NUMBER ONE/FASTWAY
A-Beat C のサブレーベルである Double Rec からリリースされた、これまたフロアには欠かせない定番曲。「かがやけ、ナンバーワン!」でおなじみ大阪プリンによる J-EURO カバーも存在します。最近ではアノ伝説的ギャル雑誌「egg」のプロジェクトによってもカバーされています。
25:PLAY WITH THE NUMBER (RISING HIGH REMIX)/DOMINO
「SPINING LIKE A TOP」で突然日本語ユーロを歌い出し大きな衝撃を生み出した DOMINO。「I WANNA DANCE」に続く日本語ユーロ第3弾で、こちらも大ヒットします。フロアでは RISING HIGH によるリミックスが定番でした。
26:Face the change (EUROBEAT REMIX)/Every Little Thing
ついに前人未到の領域に到達した SEB vol.100 に収録された E.L.T. の大ヒット曲のユーロビート REMIX。デビューシングル「Feel My Heart」でも DAVE RODGERS がユーロ REMIX を担当しており、E.L.T. とユーロとの相性はやはりバツグン。
27:Depend on you (EXTENDED POWER MIX)/ayumi hamasaki
当時、ギャル人気ナンバー 1 だった浜崎あゆみの大ヒット曲。数あるヒット曲のユーロビートバージョンもフロアでは人気でした。こちらも SEB vol.100 に収録されており、A-Beat C らしいパワフルでアグレッシブなリミックスで人気でした。
まとめ
このような感じでヒット曲満載、全曲ハズレなしの選曲は、さすが横田商会といったところではないでしょうか。
個人的には「Baby Don’t Cha Leave Me This Way/Royal T」とか、知ってるようで知らなかったりする曲が入っている・・・かゆいところに手が届くようでそうでない感じの曲が入ってるのに感動しました。実際にフロアに行かないと知らない曲ですものね。
ノンストップミックスでバッチリ現場を再現されてますので、興味を持たれたらぜひチェックしてみてください。