ディスコ・サウンドには非常にオリエンタルな雰囲気の楽曲も多く存在します。アラベスクのように、明らかに日本市場を意識したディスコ・グループもありましたし、Dr.ドラゴン&オリエンタル・エクスプレスのように日本人によるスタジオ・プロジェクトも存在しました。
ドイツのディスコ・グループであるボニーMが各国で大ヒットし、それに触発されたジンギスカンやアラベスクなどのプロジェクトがディスコ、および洋楽チャートを席巻していきますが、やはりそこには日本人に馴染みやすいオリエンタルな雰囲気があったからでしょう。
特にアラベスクは名前自体がイスラム美術の名称であるため、根本にオリエンタルなサウンドがあるのは間違いないでしょう。そのため、本国より日本で人気でしたし、日本での売上はボニーMよりも多かったようです。
オリエントといっても定義は非常に曖昧で、日本人からすると中東地域辺りをイメージしそうな感じですが、ヨーロッパの人から見れば日本も中国もオリエントなわけでして。そんな感じで、ジャパニーズやチャイニーズなイメージの曲もあります。
ということで、今回はオリエンタルな雰囲気のディスコ・ソングを見ていきたいと思います。
オリエンタルなディスコ・サウンド
Rasputin/Boney M.
やはり、70年代のミュンヘンサウンドで外せないアーティストといえば、ボニーMでしょう。アラベスクやジンギスカンなど、影響を受けたアーティストも多く、日本でも「怪僧ラスプーチン」は大きなヒットとなりました。ディスコ・サウンドの代表曲としてこの曲を挙げる人も多いでしょう。
収録CD(Amazon):The Magic of Boney M./Boney M.
Hello Mr. Monkey/Arabesque
本国よりも日本で売れまくったという、やはりディスコシーンに欠かすことができないナンバーであるアラベスクのハロー・ミスター・モンキー。売上では「怪僧ラスプーチン」を超えるヒットとなりました。
収録CD(Amazon):40th Anniversary Best/Arabesque
Samurai/Dschinghis Khan
こちらも、やはりボニーMに影響を受けたアーティスト。ヨーロッパのポップ・ミュージックの登竜門でもある「ユーロビジョン・ソング・コンテスト」では4位だったものの、その時歌ったジンギスカンが注目されデビュー。西ドイツを始め、各国で大ヒットしました。こちらは、日本限定でシングルカットされた第3弾シングル。わかりやすいですな。
収録CD(Amazon):Best of Dschinghis Khan/Dschinghis Khan
Kung Fu Fighting/Carl Douglas
カール・ダグラスのヒット曲ですが、実はB面収録予定で適当に作ったらこっちの方がメインになったらしい。「吼えろ! ドラゴン」という邦題がついてます。98年にはBUS STOPがサンプリングした曲が話題になり、ダンスマニア&ダンス・ダンス・レボリューションに収録されています。
収録CD(Amazon):The Soul of the Kung Fu Fighter/Carl Douglas
Chinese Kung Fu/Banzaii
「うっ! はっ!」の合いの手でおなじみチャイニーズカンフー。プロレスで故ジャンボ鶴田選手のテーマソングとしても愛された1曲です。フランスのスタジオプロジェクトによる楽曲のようですが、西洋人による怪しいイメージで作られたサウンドがディスコと相性良くておもしろいと思います。
収録CD(Amazon):70’s ディスコ ヒッツ/V.A.
Ali Baba/Easy Connection
ジンギスカンのカバーで突如としてディスコに現れた謎のグループ・マルコポーロ(噂では日本人による覆面プロジェクトらしい)が第2弾シングルとしてリリースした「アリババ」ですが、オリジナルはこのイージー・コネクション。おそらく、マルコポーロのカバーの方が知名度があるかもしれませんが、カバーものが本家を抑えてヒットすることはよくあります。サビの「アリババ」連呼が気持ち良し。
セクシー・バス・ストップ/Dr.ドラゴン&オリエンタル・エクスプレス
カタカナ表記ということで、こちらは日本のスタジオ・プロジェクトによるディスコ・ナンバーです。作曲家の筒美京平が制作したディスコ・インストゥルメンタルで、後にボーカルを付けたバージョンが浅野ゆう子によって歌われています。洋楽&邦楽ディスコの2枚組コンピレーションCD「DISCO GLOBAL CUTS」に収録されていますので、そちらがおすすめ。
収録CD(Amazon):DISCO GLOBAL CUTS/V.A.